技術資料

街路用照明器具 バーサウェイ™

(株)アイ・ライティング・システム 機器技術部 第三機器技術課

キーワード

バーサウェイ™,Jr. バーサビーム™,プリズムグローブ,光害対策ガイドライン,環境配慮形,上方光束比,FECセラルクスエース™

3.特徴・機能(続き)

3.5 アクリル製グローブの耐候性

Jr. バーサビーム™は屋内用器具であるため,アクリルグローブの屋外環境による紫外線劣化,すなわち黄変の懸念はなかった。しかしながら,本商品は屋外にて使用されるため,商品の品質上,太陽光によるアクリルグローブの黄変という問題も考慮する必要がある。本商品に使用されているGE社製アクリルグローブは紫外線に対して強く,アメリカ本土においては問題なく屋外で使用されている実績がある。ただし国内においては使用実績がないため,性能確認のためアクリルグローブの試験片を促進耐候試験にかけ,その黄変レベルを調査した。

なお,一般グレードのポリカーボネート素材(タキロン®製PC1600透明3mm)の試験片,一般グレードのアクリル試験片(緑川化成製ミドリライト透明3mm)も同時に比較対象として促進耐候性試験にかけた(実際の屋外暴露試験年数に換算するため,実績データのあるポリカーボネートの試験片を同時に試験にかけている)。(注)「タキロン®」はタキロン株式会社の登録商標。)

試験条件は以下の通りである。

  • 試験機:アイスーパーUV テスター(SUV-W151)
  • 試験温度:65℃
  • 試験湿度:50%
  • 試験時間:250時間
  • 負荷条件:紫外線照射のみ

上記条件にて行った試験結果を表4にそれぞれ示す。

表4 促進耐候性試験(紫外線照射)
試験時間 0 50 100 250
一般
ポリカーボネート
一般
アクリル
GE社製
アクリル

一般グレードのアクリル試験片において,100~250時間経過時で,その黄変の様子が目視レベルで確認できることがわかる。(参考:ポリカーボネートメーカーの見解としては,試験時間250時間で実際の屋外暴露試験における約10年相当と推測)。

一方GE社製アクリルグローブの試験片は250時間経過時においても紫外線による黄変の影響は全く確認されなかった。したがって本商品に採用しているアクリルグローブを屋外に使用した場合,紫外線劣化,黄変の心配はほとんどないと考える。

4.おわりに

FECセラルクスエース™150Wをメインの適合ランプとする本商品は,街路・公園灯としての需要が一層見込まれると思われる。

今後は顧客のニーズが予想されるオプション部品であるルーバーの開発も進めていく必要があると考える。

この記事は弊社発行「IWASAKI技報」第14号掲載記事に基づいて作成しました。
(2006年5月8日入稿)


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