技術資料

積層型LED光源装置 - フルカラー256階調制御可能LED搭載 -

岩崎情報機器株式会社 LED事業推進部
岩崎情報機器株式会社 LED事業推進部 LED開発課

キーワード

反射型LED,積層型,光源装置,フルカラー,白色LED

2.商品概要(続き)

2.2 構成

本装置の全体構成を図4に示す。本装置は,LED光源部と制御電源部から構成され,また各部は図4に示す要素からなっている。各LEDの明るさ及び発光色は,操作部または外部信号によりそれぞれ独立に可変可能になっている。

表示部は操作時の設定モニタである。操作部では,各LEDの明るさと色彩の階調を設定できる。電源はLEDと制御部に直流電流が供給される。定電流回路は各LEDをそれぞれ独立に定電流駆動するものである。制御回路は,設定した明るさと階調を制御する。外部機器とRS232-Cで接続し外部から制御することが可能である。

図4 装置の全体構成

2.3 構造

本装置は,光の3原色であるR(赤色),G(緑色),B(青色)の各LED(ピーク波長はそれぞれ,R:625nm,G:530nm,B:470nm)をそれぞれ搭載した3体の反射型LEDランプ(LEDから放出される光のほぼすべてを一度,凹面状の反射面に反射させてから外部へ放射する構造)を同一光軸上に重ねて配列した構造を有し,反射型LED ランプの反射面に金属酸化物多層膜からなるダイクロイックミラー(波長選択膜)を施すことで同一光軸上から光を発する仕組みになっている。なお,赤色発光波長が625nmのLEDを採用した理由は,純赤色の発光波長660nmのLEDでは光出力が低く寿命が短いのに対して,625nmのものは比較的赤色に近く高光出力,長寿命であるからである。参考のため,図5に既に商品化されている代表的な可視光LEDの発光波長特性を示す。

図5 代表的な可視光LED 発光波長特性

図6 積層型LED 光源部構造

光源部の構造を図6に示す。外形寸法は図3に示した。3個の放物面反射鏡の焦点位置にR,G,Bの各LED発光素子がそれぞれ配置されている。3個の反射鏡のうち奥の反射鏡は全反射ミラーとしてあるが,出射側の2個にはダイクロイックミラーが施してある。RのLED発光素子を包囲するダイクロイックミラーは赤色光を反射しそれ以外の光を透過する特性を,GのLED発光素子を包囲するダイクロイックミラーは緑色光を反射しそれ以外の光を透過する特性を持つ。出射口の前面板には,図では直線的出射光を得るためのレンズを配置したが,集光レンズ,拡散板を配置することもできる。背面には冷却ファンを設けて強制空冷すると共に,光源の筐体にはLEDが発する熱を外部へ放出できるように工夫を施した放熱器を設置している。

参考文献

  • 1.建設省:道路照明施設設置基準,都市局長・道路局長通達(1981).
  • 2.(財)日本道路協会:道路照明施設設置基準・同解説,(財)日本道路協会,pp.60-78(1981).
  • 4.東日本高速道路(株),中日本高速道路(株),西日本高速道路(株):設計要領第七集(電気施設編)第5編トンネル照明設備,NEXCO中央研究所,pp.3-45(2006).
  • 5.(社)建設電気技術協会,道路・トンネル照明器材仕様書,(社)建設電気技術協会,pp.改訂1-改訂8(2004).

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