施設報告

大貝トンネルの照明設備 - 広スパン対応型トンネル照明器具の納入事例 -

国内営業事業部 営業技術部 中央技術設計センター
国内営業事業部 東日本営業部 新潟営業所
国内営業事業部 東日本営業部 北関東技術設計センター

キーワード

大貝トンネル,広スパン,トンネル照明,片側配列,小型・軽量,均斉度,視認性,コスト縮減

2.照明設計(つづき)

2.5 経済性の比較

基本照明における経済性について,従来のトンネル照明器具と広スパン対応型トンネル照明器具を採用した場合の比較検討を行った。検討は20年間のライフサイクルコストを算出した結果を表3に,また20年間のライフサイクルコストの推移を図5に示す。

表3 基本照明経済比較
照明器具形式 KPL035B KPFHP0451B KPD060BL
ランプ形式 NX35 FHP45 NHTD60
全光束(ℓx) 4,600 4,135 5,000
ランプ寿命(h) 9,000 12,000 18,000
照明率 0.316 0.358 0.387
保守率 0.65 0.65 0.65
取付間隔(m) 16.0 16.2 21.5
器具数 25 25 19
初期設備費(千円) 3,633 3,507 2,661
20年間照明費(千円) 18,499 15,768 14,562

図5 基本照明20年間ライフサイクルコストの比較

図6 広スパン対応型トンネル照明器具

比較検討の結果,広スパン対応型トンネル照明器具がもっとも経済的であり,設計当時多数のトンネル基本照明に採用されていたKPL035Bよりも初期設備費約26%削減,20年間の照明費で約11%削減が図れた。

これらの結果から,基本照明には広スパン対応型トンネル照明器具(図6)が採用された。また,入口照明には高ワットまで必要となることから,高圧ナトリウムランプ(KPH-B)を採用した。

2.6 歩道部の照度

図7 基本照明配置の検討

本トンネルには歩道部があり,その照度については,歩行者が安全に通行できる事を考慮し5ℓxを確保すべき照度として設定されていた。そのため,広スパン対応型トンネル照明器具の基本照明の漏れ光により歩道部基準照度が確保できるかどうかの検討を行った(図7)。

設計当初,歩道部には別途歩道照明を設置する計画であったが,基本照明に広スパン対応型トンネル照明器具を採用したことにより,歩道部の平均路面照度が5ℓx以上確保でき,本トンネルでは別途歩道照明は不必要となり,コスト縮減につながった。


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