光応用の知識

紫外線殺菌

7.空気殺菌

空気中の細菌は、ゴミや水滴等に付着し、またカビは胞子の状態で浮遊していますが、重さがあるために自然落下し製品等に付着します。このことは、空気殺菌が製品の微生物汚染対策の第一歩でなければならない、という理由です。
こうした空気殺菌のための装置としては、空気の自然対流を利用したものが主流です。従来は吊り下げ形とトラフ形のみでしたが、最近はクリーンルーム用や、ウォールウォッシャタイプ等も製品化されており、作業環境に応じて使い分けが行われています。

室内空気殺菌に使用する殺菌灯の必要灯数の求め方としましては、次式を目安とします。

(室内空気殺菌の殺菌灯数の算出)

N
必要灯数
H
灯具と天井の距離(m)
V
部屋の容積(m³)
F
器具による係数
15W吊り下げ形:1.5
15Wトラフ形:0.72
10Wトラフ形:0.29

この条件は空気の対流が理想的に行われ、他に汚染のない状態で、9分後に大腸菌の殺菌率を99.9%にすることが期待できる灯数を求めるものです。

吊り下げ形は一般に上向き点灯で使用されていますが、効果を上げるために、上下方向を回転できる手動、自動装置も開発されています。また、トラフ形は、換気ダクトに設置され空気殺菌を行います。

このダクト殺菌に必要な取付け灯数は、次式(2)で求められた数値を目安とします。

(ダクト殺菌の取付け灯数の算出)

N
必要灯数
L
ダクト内の空気流量(m³/min)
D
ダクト断面の短軸長(m)※円形の場合は直径
K
殺菌ランプの種類による係数(GL15:0.18、GL30:0.08)
C
ダクトの形状による補正係数(正方形:1.0、円形:1.0)
R
ダクト内面の反射率による係数
(反射率0の場合:1.0、反射率50の場合:1.35)

この条件は大腸菌の殺菌率を99.9%にすることが期待できる灯数を求めるものです。
ただし、(1)、(2)式ともに、雰囲気温度、湿度などにより効率低下があるので、十分に注意する必要があります。

  • [文献]
  • 1.河本康太郎, 最近の紫外線殺菌灯, New Food Industry vol.18, No.7

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