光応用の知識
紫外線殺菌
4.殺菌試験例
試験報告書
1.目的
デザートカップに紫外線を照射して殺菌が可能であるか試験する。
2.試験品と殺菌装置
- 試験品:容器(アルミ製)
直径ø70mm、深さ27mm - 紫外線照射装置:高出力空冷式表面殺菌装置
MHG 100W 4灯用 - 菌株:枯草菌(芽胞)
JCM1465(理化学研究所より分株)
3.試験方法
一定に希釈した菌液0.1ccを、滅菌綿棒を用いて容器内面に一様に塗抹し、殺菌線照度37mW/cm²(照射距離53mm、容器上面)にて一定時間紫外線照射する。照射した容器は5ccの無菌水により、滅菌綿棒により菌を洗い出し、トリプトソーヤ寒天培地に一定量塗抹する。照射時間が長いものはメンブレンフィルター法(MF法)による。試験サンプルは各2個で行った。
照射時間、殺菌線照度の設定
処理量:25ショット/分
- 未照射
- 22mW/cm²、1.2秒照射
- 37mW/cm²、1.2秒照射
- 22mW/cm²、2.4秒照射
- 37mW/cm²、2.4秒照射
- ※ランプは寿命末期に60%に紫外線出力が減少することから、より高い安全率を考慮して、
37mW/cm²×0.6=22mW/cm²
4.試験結果
照射時間 | 未照射 | 1.2秒 | 2.4秒 | ||
---|---|---|---|---|---|
殺菌線照度(mW/cm²) | - | 22 | 37 | 22 | 37 |
殺菌線量(mW・sec/cm²) | - | 26.4 | 44.4 | 52.8 | 88.8 |
生菌数 | 1.8×10⁶ | 1.2×10² | 29 | 9 | 5 |
殺菌率 | - | 99.99% | 99.998% | 99.999%以上 | 99.999%以上 |
- ※培養結果を写真にて示す。
5.考察
以上の結果から、紫外線は出力が60%に低下した状態(殺菌線量:26.4mW・sec/cm²)でも、枯草菌(芽胞)に対して99.9%以上の殺菌効果が得られた。従って、寿命末期においても十分な殺菌効果がある。
培養テスト状況
- 殺菌対象物:デザート用容器
- 菌種:枯草菌(芽胞)
- 培地:トリプトソーヤ寒天培地
殺菌・培養条件
試験サンプル
直径70mmのアルミ容器
結果(写真)
殺菌・培養条件
未照射
写真の生菌数×10⁴個
結果(写真)
殺菌・培養条件
22mW/cm²、1.2秒照射
写真の生菌数×10個(MF法)
結果(写真)
殺菌・培養条件
37mW/cm²、1.2秒照射
写真の生菌数=全体の個数(MF法)
結果(写真)
殺菌・培養条件
22mW/cm²、2.4秒照射
写真の生菌数=全体の個数(MF法)
結果(写真)
殺菌・培養条件
37mW/cm²、2.4秒照射
写真の生菌数=全体の個数(MF法)
結果(写真)
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