技術資料

LED 投光器 レディオック フラッド ネオ™　LEDioc FLOOD NEO™

株式会社アイ・ライティング・システム 機器技術部 第一機器技術課

3．特長・機能

(1) 放熱構造の採用により長寿命を実現

96Wの高出力を小型投光器に搭載させる際の最大の難問がLEDから発生する熱である。昨年商品化したレディオック フラッドの2機種は従来からあるHID器具の灯体を使用したため，熱伝導効率が悪く，その対策に高額なヒートパイプを採用し解決に至ったが，今回の投光器は専用器具であるため，熱伝導率の高いアルミダイカストのボリュームを主体とした伝熱・放熱の高効率構造を採用することが出来た(特許出願中)。また，内蔵電源への熱影響を低減させるため，LED部材との接触面積を極力少なくする構造を採用したことや，取付けアームに放熱効果を高めさせる目的でアルミダイカストを採用する(特許出願中)などの熱対策構造を採用したことにより，照明器具として40000時間の寿命を実現出来た。

(2) 高いコストパフォーマンス

前述のように，熱問題を解決する手法に高額部品を採用するのではなく，材料構成の主体を熱伝導率の高いアルミダイカストに集約させ，その部品生産を海外とし，調達価格を低減させることにより，96Wの高出力LEDでありながら，156,000円の価格に仕上げることが出来た。

(3) 高い配光性能(独自の配光技術を駆使したむらのないフラットな照射)

前述した当該投光器のコンセプトより，「光の量＝150W HIDクラスの照明率，光の質＝黄色むらレス，フラット照射」を開発目標とし，それを実現させるためのLEDと照射方法の選択を行なった。採用LEDはシチズン電子社製の16W，平面状の発光面積の広いタイプであり，光束量が大きく直射光成分でも十分な光量が得られるため，フラット照射を得意とする特長を持つ。この特長を生かし有効照射するための方法としてこれと組み合わせる反射鏡を主体に商品構成を展開し，狭角・中角・広角(当社比)のラインナップを図った。(狭角のみ反射鏡＋レンズ)(特許出願中)

また，LEDの黄色むらが発生しない特殊な反射鏡構造(特許出願中)を採用することにより，黄色むらを照射面からほぼ排除することに成功し，高品質な光を提供することが可能となった。

(4) 12品種の多彩なラインナップ

前記3種類の配光(狭角/中角/広角)に加えて，2種類の光色(白色/電球色)，2種類の本体塗装色(ダークグレイ/ホワイト)の計12品種をラインナップし，用途に応じて器具選定を行なうことで，最適な照明環境を提供する。

以下に，商品構成(表1～3)と3種類の配光特性図(図3)及び150W HID器具との3×4ボード(一般的な定形サインボード)の照度比較(図4～5)を掲載する。

• ※従来のFAフィッティングは強度不足により使用出来ない。

狭角配光

• ECF0971N/SA1/2.4/DG(ダークグレイ)
• ECF0971N/SA1/2.4/W(ホワイト)

中角配光

• ECF0972N/SA1/2.4/DG(ダークグレイ)
• ECF0972N/SA1/2.4/W(ホワイト)

広角配光

• ECF0973N/SA1/2.4/DG(ダークグレイ)
• ECF0973N/SA1/2.4/W(ホワイト)

図3　配光特性

器具

HCF1572BHE　4灯

平均照度

1056ℓx

消費電力

664W

器具

ECF0971SA1/2.4　4灯

平均照度

1049ℓx

消費電力

440W

図4は従来のHID投光器アーバンアクト®β中角タイプの照度分布である。使用ランプはセラルクス®150Wであり，3×4ボード照明での最良の特性を示したものである。

図5は，今回開発したLED投光器狭角タイプの同設定(4灯)での照度分布である。平均照度において，目標とする図4データにほぼ同等の結果が得られている。

この結果より，照度分布においては，HID150Wを使用した場合と同等な性能をもたらすことがわかり，初期投資とのバランスで設定を決定する選択肢を用意できたと考えている。

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