技術資料

LEDioc AREA PUSSE™ - 頭柱形LED内蔵街路灯 -

製造本部 照明機器部 第一開発課

キーワード

LEDioc AREA PUSSE™,LED,街路灯,環境,省エネ

3.特長・機能

3.1 開発のポイント

LEDioc AREA PUSSE™では以下の点を考慮して開発した。

  • 内部のLEDユニット球体については,デザインを優先しつつ適切にLEDの放熱ができるような構造とした。(図2)
  • LED光源部はLED単体では眩しさがあるので,各LEDに拡散グローブを装着し,眩しさを抑えた。
  • 器具の外観イメージを変えることなく,広角配光LEDと中角配光LEDの使い分けおよび各LED球体ユニットの取り付け方の違いとにより実現される2種類の配光パターンを用意し,同一デザインにて用途に応じた使い分けが可能となるようにした。(図3及び図4)
図3 全方向配光ユニットと図4 片側配光ユニット

3.2 特長

(1)省エネ・省メンテナンス

5Wの高出力レンズ形LEDの採用により「全方向配光タイプ(20W)」では,従来水銀ランプ80W用丸グローブタイプの街路灯とほぼ同等の明るさを得ることができ,約74%(当社比)の大幅な省エネを実現した。

また,LEDの定格寿命は40000時間(光束維持率70%時)であり,ランプ交換などのメンテナンスコストを削減できる。

(2)2種類の配光(全方向配光/片側方向配光)

広場などに最適な“全方向配光タイプ”と,園路などの歩道照明に最適な“片側方向配光タイプ”の2種類をラインナップ。配光特性の異なる2連のボールタイプのLEDユニットを縦横に回転させることで,適正な配光制御を実現。用途に合わせてどちらの配光タイプを選んでも,全体として統一したフォルムに揃えることができる。

(3)低誘虫性

LEDは紫外線領域の光が少ないため,虫の飛来を抑制することができる。
蛍光形水銀ランプの光を100,蛍光ランプ(白色)の光を84とした場合,LED(白色タイプ)は35(当社比)と大幅な抑制を実現する。

(4)ポリカーボネート製グローブの採用

グローブにポリカーボネートを採用。投石によるいたずらなどによるグローブの破損を防止する。なお,グローブ外郭表面には紫外線による変色を低減するよう,特殊加工を施している。

3.3 特性

E5002SA1/2(全方向配光)とE5003SA1/2(片側配光)の水平面照度分布図を図5及び図6に示す。

図5 E5002SA1/2 水平面照度分布図
平均照度:3.3ℓx

図6 E5003SA1/2 水平面照度分布図
平均照度:2.3ℓx

計算条件:灯具高さ3.5m,保守率1,計算範囲10m×10m

4.おわりに

今回のLED街路灯は街路照明としての明るさをある程度得られる器具とすることができたが,LEDの効率は日進月歩で向上しているので,今後も注視しながら新たな商品開発を進めていく必要があると考える。

この記事は弊社発行「IWASAKI技報」第18号掲載記事に基づいて作成しました。
(2008年5月16日入稿)


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