施設報告

紫外線照射標識システムの照明設備

国内営業本部 営業技術部 営業技術企画課
国内営業本部 東日本設計センター
国内営業本部 東京広域営業所 第一営業課

キーワード

紫外線照射標識システム,新東名,東名,紫外線反射シート,蛍光体

5.納入箇所

本標識システムは,新東名及び東名高速道路において,図6中の丸数字で示す18箇所に納入した。

図6 新東名・東名高速道路概略地図

納入場所と設備の主な仕様については,表5に示す。

表5 東名・新東名高速道路における設置場所と設備の主な仕様
No 設置場所名 紫外線照射器具灯数 標識サイズ(mm)
(W:幅 H:高さ)
照射方式
御殿場JCT 24 W8000×H5600 遠方方式
御殿場JCT 24 W6400×H6000 遠方方式
新清水JCT 30 W6400×H6000 遠方方式
新清水JCT 13 W6400×H6000 オーバーハング方式
新清水JCT 13 W6400×H6000 オーバーハング方式
新清水JCT 30 W6400×H6000 遠方方式
新清水JCT 24 W6400×H6000 遠方方式
新清水JCT 20 W6700×H6000 遠方方式
新清水JCT 20 W6700×H6000 遠方方式
清水JCT 16 W6400×H6000 遠方方式
清水JCT 16 W6400×H6000 遠方方式
清水JCT 13 W6400×H6000 オーバーハング方式
清水JCT 13 W6400×H6000 オーバーハング方式
清水JCT 16 W6400×H6000 遠方方式
浜松いなさJCT 24 W6400×H6000 遠方方式
浜松いなさJCT 20 W7000×H6000 遠方方式
三ヶ日JCT 13 W6400×H6000 遠方方式
三ヶ日JCT 20 W6400×H5800 遠方方式

6.設計例

表4の白色と緑色の所要照度を満足するためには,実験を行った結果,均斉度(Max/Min)が4以下,平均紫外線強度が100(μW/cm²)以上という条件を満たす必要がある。

代表的な標識板の大きさであるW6400×H6000について,設計例を図7に示し,結果を表6に示す。

図7 標識板の照度分布図

図中に示す曲線上の数値は,初期紫外線強度を示す。

表6 設計条件と結果
名称 条件 結果
均斉度(Max/Min) 4以下 2.37
平均紫外線強度(μW/cm²) 100以上 110.7

7.納入事例

新清水JCT及び,浜松いなさJCTに設置した表示板の施工納入事例を図8~図11に示す。大型標識に採用され,遠方照明方式とオーバーハング方式の2種類があり,可視光を極力カットした光で,標識を鮮明に浮かび上がらせている。

図8 新清水JCT付近夜景

図9 新清水JCT付近昼景

図10 浜松いなさJCT(上り)

図11 新清水JCT付近夜景(上から照射)

図12 紫外線照射標識用投光器

8.おわりに

本システムは,視認性向上により走行の安全性と光の周囲環境への悪影響に配慮した標識照明となっている。赤外線や可視光線に比べ紫外線の波長は短く放射量が少ない。すなわち,被照射面の距離にもよるが,届き難く到達する量が少ないため所要の効果を得るには効率が犠牲となる。しかし,本システムは発光フィルムとの相乗効果による所が大きく最小限の設備となっている。

今後の課題としては,最小限の設備とは言え,一般照明から比べると設備やエネルギーの面で改善する必要があり,例えば光源をLED化し省エネルギー化を図る,高効率反射板にする,などの検討を重ねたいと考える。

今回の照明設備において,NEXCO総研,リンテック(株)の皆さま,照明器具の設計や開発,工事に関わっていただいた関係各所の皆さまに感謝を申し上げる。

この記事は弊社発行「IWASAKI技報」第27号掲載記事に基づいて作成しました。
(2012年12月5日入稿)


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