施設報告

花輪スキー場・ジャンプ台照明

国内営業事業部 東日本営業部 青森営業所

キーワード

花輪スキー場ジャンプ台,アクロスター™,低誘虫メタルハライドランプ,無接点昇降式照明灯,光害対策

3.照明設備の概要

3.1 照明手法

照明手法としては,ジャンプ台のアプローチ部分は道路照明方式,カンテ・ランディングバーン及びストップゾーン部分は投光照明方式(原則として追跡照明)を採用した。

3.2 ジャンプ台照明

アプローチ部照明柱の配置は,高地・傾斜部のためタワー車による高所作業が困難であり,経済性も考慮して,着脱可能な手動ウインチにより,電気工事作業者1人でも安全にランプ交換可能な無接点昇降式照明灯(UDH0111+H77081))による千鳥配列とした。

使用ランプは紫外域の光を90%以上カットしたUVカット形メタルハライドランプ400W(MF400LSH/U-UVC)を採用し,虫の誘引性を低減した。図3,図4に無接点昇降式照明灯の設置状況を示す。

図3 照明柱設置状況

図4 無接点昇降式照明灯設置状況

また,カンテ・ランディングバーン及びストップゾーン部分は,軽量で施工性に優れるパンザーマストを用い,投光器の仕様は灯数削減に効果的な増反射膜処理反射鏡を有する1kW形投光器ACROSTAR®の狭角形H5303SXLと中角形H5303DXLを採用し,イニシャルコストの低減とランニングコストの抑制に配慮したと共に,上方向への無駄な障害光を軽減可能な投光器内蔵ルーバも採用した。

使用ランプは,アプローチ部同様に低誘虫で演色性の高いUVカット形メタルハライドランプ1kW(MT1000B/BH-M-UVC)を採用し,設備全体での統一性を図った。

図5にノーマルヒル夜間点灯状況,図6にミディアムヒル夜間点灯状況,図7に飛型審判棟壁面投光器(ランディングバーン用)夜間点灯状況を示す。

図5ノーマルヒル点灯状況(上方より下方を望む)

図6ミディアムヒル点灯状況(上方より下方を望む)

図7 飛型審判棟壁面投光器点灯状況

3.3 ジャンプ台階段部照明及び連絡通路照明

ジャンプ台利用者が昇降する階段部は,FHT42W用防犯灯LUNASTREET®(FH7903EH1)を採用し,ノーマルヒルとミディアムヒル間の連絡通路部は,歩車道用照明器具コパズー™(H58782))にセラルクス®70W(MT70CE-W/S)を組み合わせて競技者に対する必要最低限の明るさを確保している。

図8に階段照明取付状況を,図9に連絡通路夜間点灯状況を示す。

図8 階段照明取付状況

図9 連絡通路部点灯状況

3.4 照明設備一覧表及び照度分布図

表2に本施設の照明設備一覧表,図10に照度分布図を示す。

表2 照明設備一覧表
区分 ジャンプ台照明 階段アプローチ部 階段部
アプローチ部 カンテ・ランディングバーン・ストップゾーン部
器具 H7708+UDH0111 H5303SXL H5303DXL H5878 FH7903EH1
ランプ MF400LSH/U-UVC MT1000B/BH-M-UVC MT1000B/BH-M-UVC MT70CE-W/S FHT42EX-N
安定器 同上用200V 同上用200V 同上用200V 同上用200V 同上用100V
設置高 H=7m H=12.5m H=4.5m H=3m
数量 19台 11台 30台 3台 16台

4.おわりに

花輪スキー場・ジャンプ台の照明設備は,コストダウンやグレア低減及び照明柱建柱位置の制限などの課題があったが,利用者にとって良好な照明環境を実現することができた。ナイター設備のあるジャンプ台は全国的にみても例が少ないので,多いに利用されジャンプ競技のレベルアップおよび競技人口の底辺拡大を望みたい。

最後に本施設照明設備の完成にあたり,御指導,御協力頂いた株式会社 共立総合設計様ほか関係各位に感謝申し上げると共に,心より御礼申し上げる。

  • 1. H7120と同仕様
  • 2. KMH-1/H5878と同仕様

この記事は弊社発行「IWASAKI技報」第16号掲載記事に基づいて作成しました。
(2007年1月9日入稿)


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