施設報告

加古川市立総合体育館の照明設備 - メインアリーナ・サブアリーナの照明 -

国内営業事業部 営業技術部 中央技術設計センター
国内営業事業部 関東技術設計センター

キーワード

加古川市立総合体育館,グレアの低減,分割利用,照明制御システム

2.アリーナ照明設備(続き)

2.2 照明設備の概要

図7 投光器取り付け状況

メインアリーナおよびサブアリーナの照明設備としては,ランプは高効率形メタルハライドランプ1kWを使用し,照明器具には角型投光器を使用し,前面ガラス部はグレアを低減するために型押し強化ガラスとしている。

投光器の取り付けは図7のようにキャットウォークに設置している。表2に照明設備一覧を示す。

表2 照明設備一覧
区分 照明設備 数量
メインアリーナ 器具 HID1kW角型投光器(型押しガラス)(HOF104X-OP) 138台
ランプ メタルハライドランプ1kW(M1000B/BUH) 138本
安定器 同上用安定器(M10BCBP2B60) 138台
取付金具 1灯用架台(溶融亜鉛メッキ) 138台
サブアリーナ 器具 HID1kW角型投光器(型押しガラス)(HOF104X-OP) 68台
ランプ メタルハライドランプ1kW(M1000B/BUH) 68本
安定器 同上用安定器(M10BCAP2B60) 68台
取付金具 1灯用架台(溶融亜鉛メッキ) 68台

2.3 照明制御

図8 ITACS照明制御盤

照明制御にはITACS(Lシステム)(図8)を使用しており,多数の点灯パターンに対応するため投光器1灯ずつ制御可能なように1灯に1つのリモコンリレーを使用している。それに伴い,ブロックごとに異なるパターンで貸出しを行った場合,容易に照明の点灯状況が把握できるよう細分化した表示のグラフィックパネル(図9)を採用している。

図9 グラフィックパネル部

2.4 グレアレイティングの確認

事前に設計段階においてコンピューターによるグレアレイティングのシミュレーションを行い,不快グレアが抑えられていることを確認した。

実際,施設に照明器具を取り付けて点灯した状況において,事前に検証したシミュレーション結果どおりに再現できているかどうか確認を行った。グレアレンズを装着した等価光幕輝度計を用いて「グレア光による等価光幕輝度:Lvl」と「環境の等価光幕輝度:Lve」を測定し,CIE Pub.112に基づきグレアレイティングを算出した。

結果としてはどのポイントにおいても事前のシミュレーションどおりにグレアレイティングは「気にならない」程度に抑制されており,まぶしさについて問題ないものであった。

3.おわりに

加古川市立総合体育館の照明は,グレアを低減し,ブロック別の細分化した点灯パターンにより省エネを実現し良好な光環境を創りだすことができた。今後,本アリーナが多いに利用されることを期待したい。

最後に,加古川市立総合体育館の照明設備の完成にあたり,ご指導,ご協力をいただきました関係各位に心よりお礼申し上げる次第である。

参考文献

  1. CIE Pub.112「Glare Evaluation System for Use within Outdoor Sports and Area Lighting」(1994).
  2. 川上幸二,魚住拓司,江湖俊介:CIE屋外施設のグレア評価法の屋内スポーツ施設への適応性,IWASAKI技報,No.2,pp.19-26(2000).

この記事は弊社発行「IWASAKI技報」第12号掲載記事に基づいて作成しました。
(2005年4月8日入稿)


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