施設報告
大江橋・淀屋橋・水晶橋ライトアップ改修工事 - 納入施設例 -
国内営業本部 西日本技術設計センター
国内営業本部 営業技術部 LCS
国内営業本部 西日本技術設計センター
国内営業本部 大阪営業所
キーワード
大阪,大江橋,淀屋橋,水晶橋,LED,ライトアップ,矩形配光,プロジェクションフード,景観照明
3.設備概要(つづき)
3.2 数量・設置状況
LEDioc FLOOD SPOLARTは大江橋に16台,淀屋橋に12台,水晶橋に17台設置した。また,親柱灯には電球色タイプのLEDioc LEDライトバルブG™(12Wタイプ)でLED化した。投光器の配置図および設置状況を示す(図9,図10)。
地元の人々に親しまれている従来からのイメージを踏襲しながらも省エネルギー化している。1台あたりの消費電力は既設器具に比べ約30%削減の127Wであり,設置台数も既設時の約1/3の台数に削減した。その結果,合計で約78%の消費電力削減を実現している。
3.3 照明点灯状況
3.3.1 昼夜比較
LEDioc FLOOD SPOLARTの電球色タイプは平均演色評価数Raが80と高いため,夜間でも橋梁側面の素材の色味を自然に再現できている。淀屋橋の昼景と夜景の比較を例に示す(図11,図12)。
3.3.2 親柱灯
各橋梁の長く親しまれてきたクラシックタイプの親柱灯をそのまま生かして光源のみをLED化した。温もりのある電球色タイプのLEDioc LEDライトバルブGの光で橋上空間をやさしく照らし出している。また,ランプが拡散形のガラス外球を採用しているため,親柱灯を直接見てもLED特有のぎらつき感もなく自然な見え方である(図13)。
3.3.3 橋梁周辺の夜景
各橋梁周辺の夜景を示す(図14,図15,図16)。
3.4 輝度解析
納入後,大江橋および淀屋橋にて当社の光環境評価システムQUAPIX™(クオピクス)を用いて輝度解析した結果,橋梁側面アーチ部が1cd/m²程度で一様に照明されていることが分かった。
実証実験を重ね,周囲環境と調和する明るさに決定したが,輝度測定結果からも橋梁側面が周囲環境に対し,著しく明るい,もしくは著しく暗いということはないと判断できる(図17,図18)。図の下のグラデーションガイドは,右側の色ほど輝度が高いことを表す。
4.おわりに
本施設は,1施設だけの演出ではなく周囲環境との関わり合いの中での演出が求められ,新しい照明機器の開発,現地での実験を繰り返すことで,より良い照明環境の創造が実現できたと感じる。景観照明は様々な要素の複合体であり,机上だけの計画や単体の施設だけで完結できるものではないと考える。今後もこのような事業が増えていくことを願う。
最後に,本事業の施主である大阪市建設局様をはじめご尽力を賜った関係各位に心より御礼申し上げる。
参考文献
- 岩崎電気ニュース&納入施設集 IWASAKI LIBRARY, Volume 114 (2016).
- 柴田,他:一級河川大川(旧淀川) 玉江橋上流左岸ライトアップ,大江橋下流左岸ライトアップ - 河川を彩る照明演出 -,IWASAKI技報,No.32,pp.48-58 (2015).
この記事は弊社発行「IWASAKI技報」第34号掲載記事に基づいて作成しました。
(2016年5月10日入稿)
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