HID光源の故障診断と対策
HIDランプの不具合をチェックするには、すべての動作状態をチェックする必要があります。特に故障診断をする場合、安定器を含めた回路を総合的にチェックし、無負荷時、短絡時、点灯時の各状態を検査することが大切です。
HIDランプは、点灯時間とともに徐々に、電極が消耗したり、発光管の封入物の反応により、ランプ特性が変化していきます。主な故障とその対策、主な寿命末期現象は、次のとおりです。
HIDランプの主な故障とその対策
HIDランプの主な寿命末期現象
修理、安定器交換、及び電源電圧適正化などの処理は、電気工事士の資格が必要です。お買い上げの販売店(工事店)へご依頼ください。
ランプが点灯しない
原因 | チェック方法 | 処理 |
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ちらつきや点滅をくり返す
原因 | チェック方法 | 処理 |
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点灯はするが明るくならない
原因 | チェック方法 | 処理 |
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短時間で点灯しなくなる
原因 | チェック方法 | 処理 |
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注意
- ※印は設備初期か、ランプ・安定器の交換時、あるいは設備改修時に発生する故障の原因です。
- 高演色形メタルハライドランプなどの専用安定器タイプの場合、高圧パルスが出るものがあります。
二次無負荷電圧の測定には十分にご注意ください(パルスによりメータが壊れます)。
備考
- 使用安定器の定格入力電圧、周波数、適合ランプの定格ランプ電力が実際の使用状態に一致している必要があります。
- 点灯しないランプは、別の器具・安定器で点灯確認し、回路故障かランプ故障かの判断を最初に行ってください。安定器故障(レイヤショート)で不点になっている場合は、新しいランプを取付けても、すぐに不点(破損)となります。
- テスタで安定器の二次無負荷電圧を測定する場合、銘板記載値あるいはカタログ発表値の±10%以内となります。
- パルス始動式安定器の二次無負荷電圧をテスタで測定する場合は、テスタを保護するため0.1~0.2μF(定格入力電圧500V以上)程度のコンデンサをテスタ棒に並列接続してから測定してください。
- 既設水銀灯設備にパルスを発生するランプを取付けた場合、ランプソケットの汚れや環境、使用年数などの状態によっては、パルスによりランプソケットが絶縁低下することも考えられます。
- セラルクス・ハイラックス用電子安定器は、温度スイッチを内蔵しており、ランプ電圧が定格入力電圧の半分(40~50V)のとき、又は安定器の周囲温度が50℃以上のときに保護回路として温度スイッチが働きます。
照明器具の寿命とリニューアルのおすすめ
照明器具には寿命があります。設置して約10年経つと、外観に異常がなくても内部の劣化(安定器、電線、ソケットなどの電気絶縁物の劣化)は進行しています。点検・交換をしてください。