照明器具の寿命とリニューアルのおすすめ

2021年9月8日

(改訂)2021年9月8日
2009年5月28日

照明器具の寿命

照明器具には寿命があります。設置して約10年経つと、外観に異常がなくても内部の劣化(安定器、電線、ソケットなどの電気絶縁物の劣化)は進行しています。点検・交換をしてください。 

JIS C 8105-1:2017「照明器具 - 第1部:安全性要求事項通則」の解説では以下のように説明されています。

  • 照明器具の耐用期間は他の電子機器と同様に、主に絶縁物の寿命によって左右されます。照明器具の心臓部である安定器の平均寿命は、JIS C 8108:2008の解説に8~10年間と示されています。
  • ただし、照明器具が設置された環境や使用条件によって、耐用期間は大きく影響されることがあります。その主な要因は、周囲温度、湿度、電源電圧、点灯時間、汚損、腐食性ガス、振動、取付方法などです。
  • 電気用品安全法・技術基準1項では、電気絶縁材料の性能限度を40000時間としてその間性能が維持できる温度限界を個別に定めていますが、実際に電気部品になったときには30000時間くらいから摩耗故障期と呼ばれる部品劣化が始まるとされています。
  • 照明器具の適正交換時期は、使用時間、温度、湿度など一般的な使用条件における経年劣化により、照明器具の故障率が増加し始める時期です。適正交換時期の目安は、通常使用(周囲温度30℃、1日10時間点灯、年間3000時間点灯)で10年としています。ただし、適正交換時期は照明器具の交換が推奨される時期であり、保証期間を指すものではありません。

10年以上経過は要チェック!

劣化が進行した安定器

10年を過ぎると器具の故障率が急に増えていきます。
10年の適正交換時期を守りましょう。

故障率と器具交換イメージ

LED照明器具の寿命

LED照明器具の光源寿命はLEDモジュール寿命のことです。
JIS C 8105-3「照明器具 - 第3部:性能要求事項通則」の中で、「LEDモジュールが点灯しなくなるまでの総点灯時間又は、全光束が点灯初期に測定した値の70%に下がるまでの総点灯時間のいずれか短い時間。」と定義されています。
この定義に従い、当社のLED照明器具は初期全光束の70%に達した時をLEDモジュール寿命として表記しています。
ただし、この寿命はLEDの設計寿命であり、LED照明器具の寿命を保証するものではありません。

LED照明器具の寿命は、従来光源を使った製品と同様に8~10年での交換を推奨しております。

交換時期の判断要素

  • 反射鏡、グローブなどを清掃しても、光学性能が元の状態近くまで回復しないとき。
  • 構造、機能が劣化し、機械的安全性が維持できないとき。
  • 安定器、電線、ソケットなどが劣化し、電気的安全性が維持できないとき。
  • 外観上、錆、傷、変色などが著しく、美観的に好ましくないとき。

適正交換時期の目安

使用時間 1500時間/年
(5時間/日)
3000時間/年
(10時間/日)
5000時間/年
(17時間/日)
8000時間/年
(約24時間/日)
主な用途 体育館、会議室 事務所、工場(一般)、店舗 工場(2交替) 工場(全日操業)
約24時間点灯
使用条件 電圧 定格 105% 定格 105% 定格 105% 定格 105%
温度(℃) 30
以下
40 30
以下
40 30
以下
40 30
以下
40 30
以下
40 30
以下
40 30
以下
40 30
以下
40
交換時期(年) 15 10 14 7 10 5 7 3.5 6 3 4 2 3.8 1.9 2.5 1.3
  • ※JIS C 8105-1「照明器具 - 第1部:安全性要求事項通則」より抜粋

リニューアルのおすすめ

10年前に比較して、照明器具、光源、安定器、制御装置などの性能は向上しています。
安全対策としてはもちろんのこと、「省エネ」「周辺環境への配慮」「CO₂の削減」「快適性」といった観点からも、既存設備のリニューアルをおすすめいたします。

保守・点検のお願い

照明器具を安全に使用するためには、適正な保守・点検が欠かせません。

  • 1年に1回は「安全チェックシート」により自主点検を行ってください。
  • 3年に1回は工事店などの専門家による点検をお受けください。
  • 点検せずに長時間使い続けると、まれに、発煙、発火、落下、感電などに至る恐れがあります。