アイちゃんのあかりを訪ねて
宇宙ってなんだろう? - 苫小牧市編 -
苫小牧市科学センター(続き)
宇宙の方舟に乗って − ミール展示館 −
クバント(手前)とミール(奥)
科学センター2階ホールから、順路に従ってミール展示館へ進むと、2階から見下ろす形でフロアいっぱいに宇宙ステーション「ミール」本体と天体観測モジュール「クバント」がドッキングしている状態で目に飛び込んできたよ!予想していたよりはるかに大きくてしばし呆然!説明パネルによると、「ミール」は1986年2月19日に旧ソ連が打ち上げた世界初の長期滞在型の宇宙ステーションで「ミール」本体に6個のドッキング・ポートを持つことで、無重力環境での実験や宇宙観測などで大きな成功を収めたの。
ミールから見た地球
設計寿命の5年を遥かに超えた15年の運用で老朽化し、2001年3月23日にニュージーランド東方2000 kmの南太平洋に落下し、焼却処分となり長い使命を終えたそうだよ。この間、17カ国、延べ100人以上の宇宙飛行士が滞在し、最終的に地球軌道を86331回も回ったそうだよ。展示品は、かつてソ連時代にパリ航空ショーにも展示されたという由緒ある「ミール」のただ1台の予備機!実際に1986年に打ち上げられたものとまったく同じもので、もしかしたら宇宙に行っていたかも知れない実物だから宇宙開発史上においても大変貴重な資料だよ!
ミールの船内作業服 & シューズ
宇宙食
ミールで使用されたカメラ類
「ミール」はロシア語で“平和”という意味で、最大直径4.15m、全長13.13m。「クバント」はロシア語で「量子」という意味で、「ミール」と同じ直径で全長は5.8m。高度約400kmのところで活動し、時速約28000km、90分で地球を1周し、通常は3名、最大で6名の宇宙飛行士が長期滞在したそうだよ。日本からは、1990年12月にTBSテレビの秋山豊寛さんが一般人でなおかつ日本人初の宇宙飛行士として8日間滞在し、宇宙からのテレビ生中継をしたのも、この「ミール」だよ。1996年には、アメリカのスペースシャトルとのドッキングに成功し、宇宙における国際協力への時代となるきっかけをつくったのは、まだ記憶に新しいところだよね。
ドッキングホール(ミール)
接近アンテナ(クバント側)
ドッキング部分
ドッキングポート(クバント側)
クバント
クバントの内部
アイちゃんアルバム
ミールの内部を紹介するよ!
降下式シャワー
ベンチレーターの吸気口
無重力対応蛇口
オーブンと宇宙食各種
無重力対応温水蛇口
冷蔵庫
ユニット式照明器具
ランニングマシーン
火災報知器
プライベートルーム 1
自動制御パネル
操縦室
プライベートルーム 2
無重力対応トイレ
トレーニングマシーン
キャッチ☆アイ
★ 宇宙飛行士の暮らしとは・・?
宇宙飛行士は基本的に1日8時間の作業を行い、休日は週に2日で、地上にいる家族と週に1回は交信できることになっていたんだって!宇宙でも規則正しい生活が必要なんだね。プライベートルームは、寝袋で立ったまま眠る半畳程度のスペースで、寝袋は睡眠中からだが浮かないように壁に固定してあるの。旧式の音楽プレーヤーが置かれていたけどロシア人飛行士はいったいどんな音楽を聴いていたのかなぁ?トイレは無重力対応の吸引式、水が流れないから空気で吸い取るんだよ。操縦室にあるトレーニングマシーンは無重力による筋力の衰えを防ぐための必須設備で、毎日2時間のトレーニングが義務づけられていたそうだよ。運動音痴のアイにはやっぱり宇宙飛行士は無理かも・・・。(涙)船内の照明器具はすべてユニット交換式なの。ランプ交換の際、万一、ランプが割れたら船内中に破片が漂うことになるからね。
「ミール」の内部はアイには狭く感じられたよ。円筒形の本体にスクエアの空間を配置しているから仕方が無いのかな・・・。でも宇宙では空間すべてが使えるうえに、前方が開けているから、宇宙飛行士には意外と快適な住空間に感じられたんだって。不思議~!ロシア人宇宙飛行士セルゲイ・アウデエフ氏が、なんと、延べ3回748日も「ミール」に滞在したそうですがアイには無理だなぁ。地上にいながら、「ミール」を訪れ宇宙での生活ぶりを学べるのは本当に素晴らしいこと、見学者の中から将来の宇宙飛行士が誕生することをアイは楽しみにしています。
施設概要
- 所在地
- 苫小牧市旭町3丁目1番12号
- 電話
- (0144)33-9158
- URL
- http://www.city.tomakomai.hokkaido.jp/kagaku/
- 開館時間
- 午前9時30分 ~ 午後5時
- プラネタリウム投影時間
- 11時30分(土日のみ)、14時、16時
- 入館料
- 無料
- 休館日
- 月曜日(祝休日の場合は翌日も休館)/祝休日(但し子供の日・文化の日は開館)/年末年始
- 整備休館日
- (毎月最終木曜日)
取材協力:苫小牧市科学センター