アイちゃんのあかりを訪ねて
小樽ノスタルジック 商都・小樽を訪ねて - 小樽市編 -
小樽貴賓館(にしん御殿/旧青山別邸)
にしん漁の栄華を今に伝える
小樽貴賓館 外観
文庫蔵
小樽貴賓館は、にしんの祝津三大網元のひとり、青山政吉と娘、政恵によって建てられた別荘なの。約31万円という莫大な費用と6年半あまりの歳月をかけて大正12年(1923)に完成。当時、東京の新宿伊勢丹デパートが50万円で建設されたそうだから、すごい豪邸だよね!お披露目の宴には山形と小樽から芸者を呼んで、客人を三日三晩の間、百畳敷きの大座敷でもてなしたそうだよ。昭和30年代に入ってほとんど獲れなくなってしまった“にしん”だけど、残されたにしん御殿を見ていると、にしん漁で賑わった当時の小樽の繁栄ぶりや巨万の富を得た大網元の強大な力をうかがい知ることが出来るよ。
12.6mの長押
春慶塗りの廊下
積雪の多い北海道では珍しい瓦葺の重ね屋根で、樹齢250年以上の長さ8.1m、厚さ24cm、幅55cmの北海道産エゾマツを使用した梁を建物の随所に用いて居間を広くとるとともに屋根の重みをしっかりと支えているの。建物は内装も含め、山形県酒田市から宮大工を呼びよせて総勢50数名の職人たちに作らせた春慶塗りの床や柱、うぐいす張りの廊下、木と木の間に白樺の皮を入れて作成した窓枠と手造りの窓ガラス、手彫りの軒下彫刻、継ぎ目のない檜材の一本物の約12.6mの長押、紫檀、黒檀などに花や鳥などの彫刻を施した欄間クルミ、象牙の飾り棚、たも材の木目階段、大理石と御影石の軟石を混ぜ合わせ型をくり抜き砥石で研き出し仕上げた継ぎ目がない洗面所、枯山水の庭園、各部屋を飾る襖絵や屏風などの書画、骨董品など、最高級の建材と宮大工の技による空間には、思わずため息が出てしまいました。内装を含め建物そのものがそれぞれひとつの芸術品だとアイは感じました。
八仙人の間
中村不折の間
比田井天来の間
洗面所
吹抜け天井
たも材の木目階段
施設概要
- 所在地
- 小樽市祝津3-63
- 電話
- 0134-24-0024
- URL
- http://www.otaru-kihinkan.jp/
- 開館時間
- 午前9時 ~ 午後5時(11月から3月は午後4時まで、12月29日~12月31日は午後3時まで)
- 休館日
- 年中無休。1月1日~1月7日は休館
- 入館料
- 大人 1,100円