メールマガジン

岩崎電気株式会社
EYE LATEST NEWS VOL.324

2022/06/15

伝統と幻想、ガラスのアーティスト
まぶしさの科学、グレア評価とは? ほか

こんにちは。岩崎電気です。
東北を除く地域が梅雨入りしましたね。
関東甲信は平年より1日早かったようですが、他ほとんどの地域は一週間以上遅かったそうです。
じめじめの梅雨も嫌ですが、突然の雹やゲリラ豪雨も困りますね。
さて、今回は、人々の心を照らす「光」を意識した作品を生みだす「創造人」の方々をクローズアップしていきたいと思います。


目次


伝統と幻想、ガラスのアーティスト

人々を幸せにする「あかり」、社会に貢献する「光」。
これらを実現するためにデザインは重要な要素だと思っています。
岩崎電気ウェブサイトでは、さまざまな分野で活躍している先駆者たちの「創造」を紹介する「創造人×話」というコンテンツを連載しています。
今回はその一部をご紹介します。

江戸切子職人・三澤 世奈さん

江戸切子は、日本の伝統文化として名高いガラス工芸。
その歴史は江戸時代後期から続き、今も進化を遂げています。
「ガラスであること、手作業であること、主に回転道具を使用すること、指定された区域(江東区を中心とした関東一円)で生産されていること、という定義がありますが、デザインや色に決まりがないからこそ、伝統を大切に新たなものづくりができる魅力があります。」
と語るのは江戸切子職人・三澤 世奈さん。

学生時代に江戸切子と出会い、社会人になってから堀口切子へ弟子入りを果たし2019年には「SENA MISAWA」という新ブランドを立ち上げました。
“日常空間に、「心地のよい」トーンの切子”をコンセプトに、伝統的な文様をベースにしつつ、新たな色や柄、マットな質感などを取り入れ、現代に受け入れられるデザインを追求しています。

江戸切子は、照明の光でキラキラと輝く光の煌めきが魅力で夜に使う機会が多いものですが、自然光の下で柔らかな優しい輝きを放つのを見るのが好きだと三澤さんは言います。
昼のシーンで日常使いできるグラスや光の透過が美しいアクセサリーなど、新たな作品づくりにも力を注いでいます。

宇宙ガラスアーティスト・戸水 賢志さん

次にご紹介するのは、「宇宙ガラス」のアーティスト・戸水賢志さん。
「宇宙ガラス」とは、1インチほどのガラスの中に、さまざまな鉱石や金属を幾重にも組み合わせて加工し、まるで壮大な宇宙のように閉じ込めて作り上げたハンドメイドの作品です。
その幻想的な世界観は国内外問わず多くの人々を魅了しています。

元々システムエンジニアだった戸水さんは、デジタルとは真逆のアナログでのものづくりに興味を持ち、昔から好きだったガラスの作品を作りはじめ、その後独立を果たしました。

未知の存在である宇宙をモチーフにした作品づくりでは、自身の中で宇宙を想像しながら制作をしているのだとか。
制作の工程上、ひとつとして同じものがない作品には、見る方それぞれにオリジナルの宇宙を楽しんでもらいたいという思いが込められています。

さまざまな角度から見た時に色合いや見え方が変わる「宇宙ガラス」にとって、「光」は命と言ってもいいほど重要な要素。
撮影用に演色性の高い特注ライトをつくったり、展示会でもガラスの中が美しく見えるような照明器具を持参したりするなど、作品の魅力をより効果的に伝える光環境を大切にしているそうです。


[光技術Tips]
まぶしさの科学、グレア評価とは?

グレアとは、物の見え方を阻害するような不快な「まぶしさ」のこと。
太陽を直視して視界が真っ白になったり、夜間、車のヘッドライトの光で目の前が見えにくくなったり、パソコンの画面に照明器具の映り込みが見えてしまったりすることなどを言います。
今回は、まぶしさや見えにくさを評価する「グレア評価」についてお届けします。

グレアの種類と分類はさまざま

一口にグレアと言っても、程度や原因、状況などによって分類がされています。
受け取る人の感じ方や影響によって分類すると、下記の3つがあります。

  • 不能グレア:視界に極端に明るい光が入る、過度のコントラストがあるなど、網膜が順応できなくなり、ほとんど物が見えない状態。
  • 減能グレア:不能グレアより程度が軽いものの、眼球内で光が散乱し、うまく周りが見えない状態。
  • 不快グレア:目の機能には問題が生じていないものの、不快感をおぼえる状態。

一方で、グレアを生じさせる状況の面で分類すると、下記の3つがあります。

  • 直接グレア:光を直接見ることによって生じるグレア。
  • 反射グレア:光沢のある面に光が反射して生じるグレア。
  • 光幕反射:作業面に高輝度の照明などが反射しコントラストが減少するグレア。

グレアは、周辺の環境や個人の状況・感覚・年齢によってその感じ方はさまざま。
特に、高齢者はグレアを感じやすく、またその影響からの回復にも時間がかかるとされています。
そのため、一律に「この光の強さがグレアである」と定義することが難しいのが現状です。

グレアは不快感のほかにも、ひどくなると目の障害や状況把握能力の低下を引き起こし、交通事故などにもつながる可能性があります。
スポーツ施設では、グレアがプレーの妨げになることもあります。
照明器具の設計や照明計画を行う際は、グレアを防ぐことが重視されています。

ヨーロッパでは「輝度制限法」で照明器具のグレアを制限するなど、国や地域によっては照明のグレア防止のための法律も設けられています。

グレアの評価方法

個人差も多く、周辺環境によって異なるグレアを客観的に評価するため、「グレア評価」の研究はこれまでいろいろな評価方法が提唱されてきました。
1940年代には「不快グレア評価法」が、以降イギリス照明学会による「DGI法」や「グレアインデックス法」、そして1970年代からは別々に研究されてきたグレア評価方法が統合され、国際基準として確立する動きが高まりました。

1995年には国際照明委員会が「UGR法」を発表し、現在のグレア評価の主流となりました。
UGRを取り入れた「屋内作業場の照明基準」はISO規格でも規定され、日本ではその内容がJISとして定められています。
背景の明るさや照明器具の明るさ、大きさ、位置などをもとに計算式でグレアを数値化し、数値が小さいほどグレアが少ないことを示します。
LED照明の普及が進んだ現在は、LED照明における不快グレアについてもさらなる研究が進められています。

岩崎電気では、道路照明の不快グレア評価、道路・トンネル照明の減能グレア評価、屋外(スポーツ)施設の不快グレア評価、街路照明器具の輝度規制など、さまざまな基準をもとに照明設計を行っています。
また、看板照明の不快なまぶしさや、過度な明るさによる周囲への影響なども評価しながら、快適な照明環境づくりに取り組んでいます。


NEWS

照明
LED投光器 レディオック フラッド アヴァン 700クラスラインアップ
ランプ・光源
LEDランプ - レディオック LEDアイランプSP(銅鉄式電源ユニット用) 85W / 103Wラインアップ
IR情報
第107回 定時株主総会招集ご通知など
納入事例
有明アリーナ ほか
お知らせ
PCB含有の有無検索/証明書発行サービス - データ更新
カタログ正誤表 - (更新)施設・屋外照明 総合カタログ 2022-2023

編集後記

今回のカバー画像に記載した英文、“No Rain, No Rainbow”。
これって実は、ハワイのことわざなんです。
直訳すると、雨が降らないと虹は出ない。
意味するところは、悪いことがあっても、きっとすぐにいいことがあるよ。とか
困難を乗り越えた後には、必ず得られるものがあるよ。といった前向きなもの。
とても素敵な言葉ですよね。

ご意見、ご感想をお待ちしております!
までお願いいたします。