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2022/02/17
蛍光灯の普及、そしてLEDの時代へ
美術館・博物館の照明 ほか
こんにちは。岩崎電気です。
立春が過ぎてもまだまだ寒い毎日ですが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
年が明けてからも、新型コロナウイルスの影響で自粛が続いておりますが、明るい気持ちで春の訪れを待ちたいものです。
今回は、「第3世代(※)」のあかり「蛍光灯」についてのお話と、美術館や博物館の照明に関する情報をお届けします。
目次
蛍光灯の普及、そしてLEDの時代へ
皆さまのご家庭で使われているのはどんな照明でしょうか。
LEDの電球や器具が増え、蛍光灯の使用機会が減っているのではないかと思います。
1926年にドイツの発明家エトムント・ゲルマーのグループによる研究で誕生した蛍光灯は、アメリカのGE社が実用化に向けて研究・改良を重ね、1937年に商品化されました。
日本では1940年以降に実用されはじめ、光色やワットバリエーションの拡大とともに一般家庭に広く普及するようになりました。
ちなみに白熱電球に対する蛍光灯の普及率は、日本が世界一だったそうです。
日本人に蛍光灯が支持された理由は諸説ありますが、清潔好きな日本人には、隅々まで明るくなる拡散光の蛍光灯が向いていたとか、農耕民族だった日本人は「点光源=炎の光」より「面光源=太陽の光」を好んだとか、興味深い理由が散見されます。
環境配慮・省エネの時代、蛍光灯はLEDへ
蛍光灯の前に主流だったあかりは白熱電球でした。
白熱電球と比べて消費電力が少ないことも蛍光灯の魅力のひとつで、その普及を後押ししました。
しかし、「第4世代」のあかり「LED」の登場と共に、消費電力や寿命の課題が顕著になっていきます。
環境配慮や省エネの社会的要請が高まるなか、水銀灯とともに法改正や各種ガイドラインの影響を受け、蛍光灯も次第に生産量が減少していきます。
2018年4月、照明器具とランプを製造・販売している弊社も蛍光灯照明器具・蛍光ランプの生産終了を発表いたしました。
蛍光灯からLEDへ円滑に転換していただけるよう、代替商品のご提案などを通じてお客さまを柔軟にサポートしています。
蛍光灯を代替するレディオック LEDベースライト(LEDユニット一体形)
照明分野でも日進月歩の技術革新。
岩崎電気は新たな光で未来を照らすべく、これまで培った技術や価値を大切にしつつ、新たなソリューション・付加価値を提供していけるよう努めています。
※「第1世代」はろうそく・ガス灯、「第2世代」は白熱電球であるといわれています(諸説あり)。
[光技術Tips]
展示物を正しく、心地よく、傷つけず照らす
美術館・博物館の照明
興味をそそる展示物でわたしたちの目を楽しませてくれる美術館や博物館。
その展示物を照らす照明には、美しく見せつつ展示物を守るたくさんの工夫が施されています。
今回はそんな「展示照明」についてご紹介します。
正しく・美しく見せるために大切なこと:演色性と照度
展示照明に求められることのひとつが「演色性」です。
演色性とは、照明によってその展示物本来の色を正しく表現できるかどうかを指します。
また、照度が明るすぎても暗すぎても、展示物の見やすさが損なわれます。
展示物を見ている時に照明が目に入らないように配慮したり、展示物だけでなく人が行き交う空間も適切な明るさにするなど、きめ細やかな照明設計をしています。
美術館や博物館が居心地の良い、落ち着いた空間なのも適切な照明設計によるところが大きいですね。
演色性と照度を適切に設計することで、展示物も空間も本来の魅力を体感できるのです。
傷つけないために大切なこと:損傷抑制
また、展示照明において演色性とともに注意しなければならないのが、光による展示物の劣化を抑えることです。
短波長域の可視光(青や紫の光)と紫外線に照射された物質は、退色したり脆くなったりします。
また長波長域の可視光(オレンジや赤の光)と赤外線による温度上昇は乾燥をともない、収縮、ひび割れなどのおそれがあります。
損傷をできる限り抑えるには弱い光で照らす、時間を短くする、影響の少ない光源を選定するなどの配慮が必要です。
展示物を見せる目的、守る目的、この2つを両立するために、照明はもちろん、空調、ガラスやパネルを含めた展示室の材質など、さまざまな工夫の下に運営されている美術館や博物館。
次に訪れる際は、そういう視点も含めて鑑賞されると面白みが増すかもしれません。
岩崎電気では、紫外線や赤外線の影響を抑えるLEDスポットライトやダウンライトなどを多数ラインアップしています。
美術館・博物館だけでなく、商品の魅力を引き立てる食品売場やアパレルなどでも多く採用いただいています。
普段から気になる「明るさ」だけでなく、「演色性」にも注目してみてください。
NEWS
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- 東京タワーライトアップ インフィニティ・ダイヤモンドヴェール ほか
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- PCB含有の有無検索/証明書発行サービス - データ更新
- 価格改定一覧の更新
- 「LED・HID機器、ランプなどの価格改定について(2022年4月1日改定)」の訂正について
- 電灯・動力分電盤及び配線用遮断器 一部仕様生産終了のご案内
編集後記
冬季オリンピックでの日本選手たちの活躍を目にし、ついつい応援に力が入り、肩が凝ってしまいますね。
コロナ禍で臨時休館している美術館・博物館もありますが、開館を続けてくれている施設も多くあるいま、リラックスしにちょっと足をのばしてみたいです。
ご意見、ご感想をお待ちしております!
までお願いいたします。