メールマガジン

岩崎電気株式会社
EYE LATEST NEWS VOL.306

2020/12/16

光や温湿度よる材料の変化を再現する耐候性試験機
太陽光(紫外線)や温湿度変化によるものの劣化を知っていますか? ほか

こんにちは。岩崎電気です。
今年も残すところあとわずかとなりました。
クリスマスや年越しなど楽しみなイベントが盛りだくさんの季節ですが、
今年は例年とは違ったものになりそうですね。
そして、忘れちゃいけないのが年に一度の大掃除。
家にいる時間が多くなっているからこそ普段手を付けないようなところまで隅々と磨いて、すがすがしい気持ちで新年を迎えたいですね。

みなさんは掃除や片付けをしているときに、日陰より日向に置いてあるものの方が早く劣化していることに気づいたことはありませんか?
実は、太陽光や温湿度変化とものの劣化には大きな相関関係があります。
今回は素材の劣化を見極める「耐候性試験」について、ご紹介したいと思います。


目次


光や温湿度よる材料の変化を再現する耐候性試験機

今回は、普段の生活に直接なじみがないけれど、身の回りにあるものの開発の際に重要な役割をしている「耐候性試験機」をご紹介します。

耐候性試験とは

例えば、自動車の塗装が、新車で買って1ヶ月もしないうちに色落ちしたり、ビルの外壁の材料が建築から数年で崩れてしまったりしたら困りますよね。このような現象を防ぐために行われているのが、「耐候性試験」です。

「耐候性」という言葉は、材料が屋外や日光のあたる場所で使われたとき、材料が変形、変色、劣化などの変質をしにくい性質を指します。
つまり、屋外や強い日光の当たる場所での使用でも耐えることができるかどうかをはかるのが「耐候性試験」の役割です。耐候性の問題が起きないかを事前に条件をつくりだして試験し、材料ごとの特性を確認しています。
試験には、JIS(日本産業規格)などで定められた適切な方法があり、その規格に則って実施されています。

耐候性試験には、試験機を用いて行う「促進耐候性試験」と、屋外に実際にさらして行う「屋外暴露試験」があります。
促進耐候性試験では、屋外暴露試験1年分の環境変化を数週間で再現することができます。
促進耐候性試験を行うことで、実際の年月をかけずとも、材料の特性を把握することができるので、開発期間の短縮などにつなげることができます。
岩崎電気で作っている製品は促進耐候性試験の試験機で、照明分野で培われた光の制御技術などを応用して製造しています。
促進性の高いUVテスターは研究開発に、相関性の高いキセノンテスターは規格・仕上げ試験などに多く用いられています。

※相関性:実際の変化と試験機上での変化が一致しているかどうか

IWASAKIブランドの耐候性試験機

岩崎電気の「アイ スーパーUVテスター」は、屋外暴露10年分を約1000時間で再現できる驚異的な促進性を持ち、「アイ スーパーキセノンテスター」は暴露試験との高い相関性に加え、照度を可変できる使いやすさが特長です。
その優れた性能と高い品質により、自動車や建築物、家電、印刷物、樹脂、人工石などの研究開発や規格・仕上げ試験に幅広く採用されています。
これら促進耐候性試験を行うことにより、3年保証、10年保証といった長期保証が可能になるのです。

いかがでしたか?
身近にあるものも実はこうした試験のあとで製品化されているんですね。
耐候性試験機、初めて聞いた方は大抵驚かれるので、豆知識としてご活用ください。


[光技術Tips]
太陽光(紫外線)や温湿度変化によるものの劣化を知っていますか?

ベランダの洗濯バサミがボロボロになるのはなぜ?

みなさんの身近でこんなことはありませんか?

  • ベランダの洗濯バサミがボロボロになる。
  • 本棚に置いていた本の背表紙が変色してしまう。
  • 長く使っているメガネのレンズが黄ばんでくる。

実はこれらはすべて、「太陽光」や「温湿度変化」のしわざなのです。
私たちの暮らしに太陽光は不可欠なものですが、その一方で長い時間をかけると光があたったものを劣化させてしまう、強いエネルギーも持っています。
プラスチック製品や塗料、ゴム・繊維など太陽光や温湿度変化の影響を受けやすい物質は多岐にわたります。

お肌の敵「紫外線」はプラスチックにとっても敵だった!

今回は一番わかりやすいプラスチックを例にしてご説明してみましょう。
プラスチックは、「高分子」という、たくさんの原子のつながりの網のようなものが絡まり固まってできています。
新品の状態ではそのつながりは強固で、十分な強度があります。
しかし、太陽光、特にそれに含まれる紫外線を浴び続けたり、雨や温湿度変化によりその表面が濡れていたりすると、高分子の結びつきが少しずつ壊れていってしまいます。(ラジカル化)
そうして高分子の網目が壊れていった末に、新品の頃の強度は失われ、ボロボロになってしまうというわけです。
ベランダの洗濯バサミがボロボロになるのは、知らず知らずのうちに紫外線や温湿度変化によって材料であるプラスチックが壊されているからなのですね。

簡単に言えば、日焼けでわたしたちの皮膚がヒリヒリしたり、めくれてきたりするのと同じように、プラスチックも日焼けをするので、「人間のお肌と同じく紫外線は天敵」なのだといえるでしょう。
本の背表紙もメガネのレンズも劣化のメカニズムは基本的に同じです。

みなさんも、洗濯バサミを見かけた際には、「日焼けしながら頑張ってくれているんだな」と思い出してもらえると嬉しいです。


NEWS

ニュースリリース
関西国際空港におけるUV-C除菌実用化実証実験に協力
照明
ライトアップのご提案「ヒカリタイ ~ひかり で つながる~」
光・環境
UV-C(254nm)照射試験サービスのご案内
テクニカルレポート
防浸形コンパクト樹脂充填LEDユニット「LEDioc RECT」
LED高天井用照明器具「LEDioc HIGH-BAY Γ(ガンマ) シンプルモデル」
納入事例
日本体育大学 横浜・健志台キャンパス ラグビー場・サッカー場 ほか
お知らせ
「耐圧防爆形ハンドランプ」の生産終了のご案内

編集後記

年の瀬も近づき、あわただしい毎日をお送りの方も多いかと思います。
暗いニュースが続いていますが、マイナス部分だけに目を向けず、
今出来ることや新しい発見もしていきたいですね。
みなさんご自愛の上、すこやかに新年をお迎えください。

今年最後のメールマガジンとなりました。
本年中もとてもお世話になりました。
来年も、岩崎電気をどうぞよろしくお願いします!

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