技術資料
積層型LED光源装置 - フルカラー256階調制御可能LED搭載 -
岩崎情報機器株式会社 LED事業推進部
岩崎情報機器株式会社 LED事業推進部 LED開発課
キーワード
反射型LED,積層型,光源装置,フルカラー,白色LED
1. はじめに
LED(Light Emitting Diode)は,pn接合を持つ半導体で,1960年代後半の赤色LEDの商品化に始まり,約30年後の1990年代に高輝度の青色LEDが開発されるに至って,可視光の全領域の光色をLEDの発光によって表現することが可能になった。
LED は単色発光の光源であるため,白色発光を得る方法としては,
- ①青色LEDとその補色である黄色蛍光体とを組合せて得る方法,
- ②光の3原色のR(赤色),G(緑色),B(青色)の組合せで得る方法,
- ③青紫(紫外)LED にR(赤色),G(緑色),B(青色)の蛍光体を組合せて得る方法の3種類の方法が実用化されている。
①と③は蛍光体を励起して白色光を得るもので,ランプ化した際,発光色は固定されるが,①は構造が単純で効率も高いため,現在製品化されているものの主流となっている(しかし,赤色の光成分が殆ど無く演色性が低い)。③は①と比較すると効率が劣るがRGB蛍光体との組合せで演色性が高いというメリットがある。但し,蛍光体との組合せによる白色LED(①と③)には多数の特許出願が存在するという問題がある。②は光3原色のLEDで構成され,各LEDの明るさを制御することにより白色光及び幅広い範囲の発光色(フルカラー)が再現できる。
今回,紹介する積層型LED光源装置は,白色LED光源の要望に応えるべく開発したもので,LEDの特徴である単色発光を利用して白色光及びフルカラー発光を得ることを目的としており,上記②のタイプに属するLED光源を搭載している。このLED光源には高輝度化(高出力化)の実現のため光出力の高いパワーLEDを使用し,また光源部にはLEDの自己発熱の影響を抑制する工夫を施した。
以下,本装置の概要と特性を述べる。
2. 商品概要
2.1 外形
装置の形態には,光源部と制御電源部を分離した分離型とそれらを一体化した一体型の2種類がある。図1,図2にそれぞれの外観を示す。また図3に装置の外形寸法を示す。
分離型は映像機器用光源,小型ライトアップ光源,スポットライト,店舗演出等の用途に適し,一体型はファイバー装置用光源の用途に向いている。
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