技術資料
交差点専用照明器具クロス・パズー™による照明設置効果の検証
技術開発室 技術部 技術開発グループ
国内営業事業部 官公需推進室
国内営業事業部 中部技術設計センター
国内営業事業部 名古屋営業所 第二営業課
キーワード
交差点,横断歩道,安全,安心,視認性,クロス・パズー™(cross-PAZU®),歩行者
1.はじめに
安全,安心,街づくりの中で道路も整備されてきているが,人と車が交錯する交差点部では,依然として薄暮時から夜間時にかけて人身事故が多発している。国は,これらの現状を踏まえて事故多発地点を指定し,交通事故抑止対策として,道路構造の改良や照明灯の増設等の施策を行っている。しかしながら,既存の道路照明器具の配光は,一般の道路照明を目的に開発された為,交差点内における歩行者の見え方改善に最適な配光とは言えない。
そこで,当社は業界に先駆けて,交差点内における事故原因を調査分析し,視環境を改善して交差点内での事故抑止を目的とした交差点専用照明器具(以下,クロス・パズー™と表記)を開発した。
2.クロス・パズー™の特徴
クロス・パズー™の特徴は,車両相互の事故の発生しやすい「交差点中央部」,車両と歩行者・自転車が交差する「横断歩道部」,歩行者エリアの「歩道部」の3つのポイントを重点的に照らすように考えられたフロント-ワイド配光(図1)を有し,「現状の交差点照明設備(道路照明設置基準による配置)と比較し,同等の消費電力で明るさが2倍,歩行者の見え方も1ポイント(5段階評価で)向上し,濡れた路面における歩行者の見え方が改善」された交差点専用照明器具である。
クロス・パズー™は,適合ランプによりH7716とH7717の2器種に分かれる。器具外観,仕様等を図2に示す。
交差点内の視環境改善に対する各照明設備の役割・効果の概要を,各コーナーに配置されたクロス・パズー™ A~Dに関して説明する。(図3を参照)
- 照明器具AとBにより,右折時の運転者に対して,横断歩道面と空間を照明し,歩行者を直接照明して見え方を改善する。また,歩行者への直接照明により,雨天時での見え方も優れている。
- 照明器具AとDにより,交差点に進入する運転者に対して,交差点中央部の空間を照明し,対向車を直接照明して見え方を改善する。なお,雨天時における歩行者の見え方を改善するには,横断歩道の手前に歩行者を直接照明する照明設備を設置することにより改善が図れる。
- 照明器具BとCにより,直進時の運転者に対して,横断歩道面と空間を照明し,歩行者を直接照明して見え方を改善する。また,歩行者への直接照明により,雨天時での見え方も優れている。
- 照明器具CとDにより,左折時の運転者に対して,交差点の横断歩道面と空間を照明し,歩行者を直接照明して見え方を改善する。歩行者を直接照明しており雨天時での見え方も優れている。
ストレートポール式 | アーム式 | |
---|---|---|
器具外観 | 防雨形 |
防雨形 |
仕様 |
ポールセット寸法図 |
ポールセット寸法図 |
適合ランプ |
H7716 H7116
|
|
H7717 H7117
|
テクニカルレポートに掲載されている内容は、原稿執筆時点の情報です。ご覧の時点では内容変更や取扱い中止などが行われている可能性があるため、あらかじめご了承ください。