技術資料

LED防犯灯 - LEDioc STREET™ 20VA リニューアル -

ライティングソリューション事業本部 ソリューション商品開発部 商品開発課
ライティングソリューション事業本部 ソリューション商品開発部 技術課
国内事業本部 国内商品開発部 商品開発課
生産事業戦略部 ものづくり推進課

キーワード

LED防犯灯,LEDioc STREET™,LED・電源・センサ一体型,浸水対策,リース対応

1.はじめに

現在,LED防犯灯市場は,大手メーカー以外にもベンチャー企業を含め参入企業が多岐にわたり,お客様が性能面の良し悪しの判断がつかず,価格のみによる採否となる傾向がある。また,リース/ESCO事業の普及に伴って20VAタイプの需要が拡大し,価格競争に拍車をかけている。特にリース案件ではまとまった数量が受注できるが,価格面での要求も厳しく利益確保が困難であるため,ローコスト化が急務である。

そこで,今回リニューアルするLEDioc STREET 20VAでは,LEDioc STREET 10VAの設計コンセプトである三位一体構造を採用し,部品点数削減によるコストダウンを図る。

2.商品概要

本商品は,グローブタイプ2種類(クリア,乳白)と自動点滅器の有無により4種類を用意した。クリアグローブタイプは主に道路での用途に,乳白グローブタイプは駐車場や施設の保守灯としての用途に適している。

器具の外観図を図1に,器具の外形寸法図を図2に示す。また,本商品のラインアップを表1に,商品仕様を表2に示す。

図1 外観図

図2 外形寸法図

表1 品種一覧
グローブタイプ 外観図 形式 自動点滅機能 定格光束(ℓm) 消費電力(W) 皮相電力(VA)
クリアグローブ クリアグローブタイプ外観 E70051SAN1 1500 14.2 15
E70052SAN1 14.0
乳白グローブ 乳白グローブタイプ外観 E60051SAN1 1200 14.2
E60052SAN1 14.0
表2 商品仕様
材質 本体 アルミダイカスト
グローブ アクリル樹脂
仕上色 メタリックシルバー
入力電圧 100V
周波数 50/60Hz共用
相関色温度 5000K相当(昼白色タイプ)
平均演色評価数 Ra80
定格寿命 60000時間
質量 700g
保護等級 IP44
使用温度範囲 -20℃~+35℃
耐雷サージ 15kV(コモンモード)

3.特長・機能

3.1 低価格化

現行品と新きょう体の基板の配置図を図3に示す。

現行のLEDioc STREET 20VAでは,LED基板と電源基板とセンサ基板がそれぞれ別部品となっていたが,本開発の新きょう体では,LEDioc STREET 10VAの設計にならい,3つの基板を1つの基板に集約することで,それぞれの基板を繋ぐ配線や基板固定用のねじを削減でき,組立作業も簡略化した。これによりコストを抑えることができ,低価格化を実現した。

図3 基板の配置

3.2 センサ位置

器具のセンサ(自動点滅器)は,きょう体先端部分の前面に設けている。これにより外的要因(積雪,落ち葉,鳥糞など)による点滅誤動作や鳥が防犯灯に乗りセンサカバーをつつくなどのリスクを抑制することができる。

  • ※自動点滅機能なしタイプは,きょう体は共通であるが,センサ部はセンサ取付用の加工をしていないため,センサおよびセンサカバーは組み付けられていない。

3.3 薄型軽量化

LEDioc STREET 10VAと同様のLEDモジュール,電源,センサの一体化構造により,きょう体のさらなる薄型軽量化を実現した。質量は700gとなり,現行タイプと比べて400g軽量化した。

3.4 配光性能

配光性能はクリアグローブタイプ,乳白グローブタイプともに現行品と同等である。クリアグローブタイプは,通路形状に合わせた横長に光が広がる配光により,設置間隔は保守率0.86の場合で『クラスB,35m』を実現した。照度分布図を図4に示す。

図4 新きょう体の照度分布図

3.5 結線部からの浸水対策

施工時における結線部の防水処理の不備などにより,露出した心線部から毛細管現象で器具内部に水が浸入する不具合事例が報告されている。

本商品では,器具内側の電線の端末処理として半田上げし,防水熱収縮チューブを施した。これによりたとえ心線部から水が浸入しても,電気部品の手前で止水することで不具合発生の抑制を図った。

3.6 公共施設用器具対象品

本商品は公共施設用器具形式「LBF2RP-1000LM」に適合する。

4.おわりに

今回現行品と比較し,性能を向上させつつ低価格化を実現することができた。

今後も多くの競合メーカーのほか,ベンチャー企業も20VA防犯灯をリリース・リニューアルしてくることが考えられるため,商品企画と連携して新商品の開発を行っていく。

この記事は弊社発行「IWASAKI技報」第36号掲載記事に基づいて作成しました。
(2017年5月9日入稿)


テクニカルレポートに掲載されている内容は、原稿執筆時点の情報です。ご覧の時点では内容変更や取扱い中止などが行われている可能性があるため、あらかじめご了承ください。