技術資料
LED太陽灯
- ロープライス形LEDioc STREET™ 10VAタイプ及びAC100V出力タイプ -
製造統括本部 照明部 第二商品開発課
株式会社つくばイワサキ 技術部 第一技術課
キーワード
LED太陽灯,ロープライス形,LEDioc STREET™,環境,クリーンエネルギー,省エネ,デザイン性,コスト
1.はじめに
環境意識や省エネ意識の高まりにより,これまでの公園や駐車場への設置に限らず,遊歩道への設置の引き合いが増えている。その際,バッテリーボックスがポールに共架されていると,歩行者の交通に妨げになるとの指摘が散見されるため,対策として,20VA,40VA,エリアDタイプの際に採用したポール一体形太陽灯のリニューアルを行うことにした。また,新型10VA防犯灯への切替えに伴い,LED太陽灯(ロープライス形)に搭載する照明器具も新タイプへ統合し,共有化を図ると共に,AC100V出力機能を備えるタイプをラインアップすることで一時的な電源供給源としての活用を提案できる太陽灯を提供することにした。
2.商品概要
LED太陽灯のラインアップを表1に示す。LED太陽灯のタイプごとの外観図を図1及び図2に,商品仕様を表2及び表3に示す。
形式 | タイプ | 光源 | 定格電圧 | 備考 |
---|---|---|---|---|
TLE1046LS10 | 10VA | 昼白色LED | DC12V | 照明器具用電源装置 ポールボックス内蔵 |
TLE1046LS10 /AC1A(B) |
10VA 100V出力機能付き |
- ※形式末尾のA(B)は周波数違い。
形式 | TLE1046LS10 | TLE1046LS10/AC1A(B) | |
---|---|---|---|
照明器具 | 器具光束 | 530ℓm | |
消費電力 | 5.3W | ||
本体材質 | アルミダイカスト製;塗装仕上 | ||
LEDモジュール | 光源色:5000K(昼白色)相当 | ||
寿命:60000時間 | |||
入力電圧 | DC12V | ||
太陽電池 | 種類 | 単結晶太陽電池モジュール,公称最大出力90W | |
太陽電池マウント | ステンレス鋼板製;塗装仕上 | ||
蓄電池 | 種類 | ディープサイクル鉛蓄電池 | |
容量 | 60Ah×1個 | ||
ポール ボックス |
ポール | ステンレス鋼板製,溶融亜鉛めっき後塗装仕上 | |
ボックス蓋 | 鋼管製;塗装仕上 | ||
内蔵機器 | コントローラ,電源装置, バッテリー |
コントローラ,電源装置, バッテリー,DC/ACインバータ |
|
塗装色 | メタリックシルバー |
形式 | TLE1046LS10 | TLE1046LS10/AC1A(B) | |
---|---|---|---|
1日あたり 点灯時間 |
4(3)時間/1日 有効日射時間 |
全点灯14時間 | |
無日照補償日数 | 5日間 |
- ※AC100V出力時間について(例)
- ・消費電力20W,AC100V時の使用可能時間は下記の通り。
- TLE1046LS10/AC1A(B):約8時間(照明負荷を含む)。
3.機能・特長
3.1 バッテリーボックス
□200のバッテリーボックス一体形ポールを新たに開発。これによりデザイン性向上と設置場所が限定されない製品化を実現した。(歩道などに設置した場合でも,歩行の妨げにならない。)
3.2 照明器具用電源装置(ポール内蔵)
照明器具用電源装置は発売中のLEDioc 20VA,40VA,及びAREA 搭載型太陽灯で開発した電源装置をベースに10VAタイプにも適応できるようにカスタマイズを施した。これにより電源装置開発期間の大幅な短縮ができた。
3.3 耐候性
溶融亜鉛めっきポール仕様とし,かつ外郭鋼板部にはステンレス鋼板を採用し,耐候性の向上に配慮した製品化を実現した。
3.4 点灯時間の延長
性能向上を図り,現行品の12(10)時間点灯から有効日照時間4時間地域では2時間延長し,有効日照時間3時間地域では4時間延長して,いずれも14時間点灯を実現した。これにより,市場ニーズへの対応が可能となった。
3.5 広スパン形配光
防犯灯の広スパン形配光(ワイド配光)を採用し,通常の防犯灯と同様に歩道などに適した配光形状とした。また,3mという低い取付け高さを考慮し,光量を調整することによりグレア対策を施した。
3.6 AC100V出力機能
従来品と同様にAC100V出力機能付きをラインアップに加え,コンセント口を開口部蓋に設置したことにより,景観を損なわない形状とした。また,コンセントには過放電防止用スイッチ等を併設し,バッテリーの過放電を防止できる。
4.おわりに
今回,開発したLED太陽灯10VAを太陽灯シリーズに加えることにより,既に発売済である20VA,40VAエリアD搭載型と合わせてバッテリーボックス一体型へのリニューアルを完結することができた。これより目的である『景観に融合するデザイン太陽灯』をテーマにした開発を終了できたと考える。
今後は,既に一部の企業から発売されている低価格に特化したタイプ,照明だけではなく災害地用の誘導を目的とした誘導表示板搭載タイプ,バッテリーにリチウムイオン電池を利用したタイプの製品の開発を行っていく。
この記事は弊社発行「IWASAKI技報」第32号掲載記事に基づいて作成しました。
(2015年5月22日入稿)
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