技術資料
LED歩行者用照明器具 - LEDioc AREA QUALLIS™ -
製造統括本部 照明部 第二商品開発課
製造統括本部 照明部 LEDオプトデザイン課
製造統括本部 照明部 LEDエンジニアリング課
製造統括本部 電子機器部 回路設計課
製造統括本部 海外ものづくり推進室
キーワード
LED,街路灯,AREA QUALLIS™,明るさ,グレア,光の質,環境
「レディオック エリア クオリス」のご案内
グレアの抑制と周囲環境の見やすさを両立させ、質の高い光環境を創造するLED街路灯「レディオック エリア クオリス」の詳細は以下よりご覧いただけます。
- LEDioc AREA QUALLIS(レディオック エリア クオリス)
1.はじめに
従来のLED街路灯は,明るさや光の広がりを優先し,中には「グレアの抑制」を犠牲にしている製品も見受けられた。本製品では“光の質”を追求し,“グレア抑制”や,LED街路灯の背景となる景観の明るさに応じた適切な“光のあり方”を検討し,開発することとした。
2.商品概要
今回,開発を行った製品の外観イメージを図1,寸法図を図2,ラインアップを表1,仕様一覧を表2に示す。
取付方法 | タイプ | 姿図 (イメージ図) |
セット 形式 |
本体 形式 |
アーム 形式 |
LED電源形式 | 定格光束 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
ポールトップ | タイプD | E5052SA9 | E5052-0 | - | WLE260V625 M1/24-3 |
8500ℓm | |
E5053SA9 | E5053-0 | - | 5900ℓm | ||||
タイプG | E5054SA9 | E5054-0 | - | 8000ℓm | |||
E5055SA9 | E5055-0 | - | 5600ℓm | ||||
アーム | タイプD | E6094SA9 | E6094-0 | HA1094 | 8500ℓm | ||
E6095SA9 | E6095-0 | 5900ℓm | |||||
タイプG | E6096SA9 | E6096-0 | 8000ℓm | ||||
E6097SA9 | E6097-0 | 5600ℓm |
本体 | アルミダイカスト |
---|---|
グローブ | アクリル |
シェード |
|
仕上色 | メタリックシルバー |
保護等級 | IP23 |
ポール挿入寸法 | 76.3×110mm |
3.機能・特長
3.1 周囲の明るさに応じた適切な光の提案
人は照明器具単体の明るさを見て明るさを判断せずに,実際には周囲環境の明るさも含めて明るさを感じている。そこで,本器具では“周囲環境が見やすい”かつ“空間が明るく感じる”ことを達成するための配光制御を行った。
駅前広場や商業地域などの周辺が明るい環境向けの【タイプD】と,住宅地域や郊外の公園などの周辺が暗い環境向けの【タイプG】をラインアップ。(図3,図4)また,所要照度に応じて,各タイプ共に2種類の明るさもラインアップした。
3.2 光の質を追求した普遍性の高いデザイン
極限まで削ぎ落とした本体と的確に光を制御する軽やかなシェードの構成による機能的デザインを採用。より快適な光環境を創造する光制御の技術を,景観に溶け込むシンプルな造形により実現し,どのような街にも調和する照明器具を設計した。(図5)
3.3 初期照度補正機能
初期設置の過剰で無駄な明るさを寿命末期まで一定の光束維持率80%の明るさに補正し,さらなる省エネを実現した。
3.4 寿命60000時間
器具に内蔵している大容量LEDが発する熱を専用筺体で効率よく放熱させることで,LED寿命60000時間(光束維持率80%)を達成。大幅なメンテナンスコストの軽減が可能である。
3.5 幅広い使用環境
使用温度範囲は-20℃~+35℃で,寒冷地でも使用可である。
3.6 誘導雷への対策
耐雷サージ電圧15kV(コモンモード)と誘導雷に対する対策を実施した。
3.7 電源別置形(ポール内蔵)
電源別置形とし,鋼管ポールに内蔵。電源は新規に設計し,従来弊社同等品より小形,軽量化を達成した。電源の適合ポール径は4B(内径ø105.3)以上である。電源の外観イメージを図6,寸法図を図7,仕様を表3に示す。
本体 | アルミ |
---|---|
質量 | 1.5kg |
口出線 | 0.6m |
4.おわりに
従来のLED街路灯は,明るさや光の広がりを優先しているものが多く見受けられたことから,本製品では従来にないコンセプトを検討し商品開発を行った。
今回の開発を手始めに,弊社は今後このようなコンセプトをお客様に提案し,広く理解していただくことを推し進め,引き続き“光のあり方”や“光の質”を考慮した商品の開発を行っていく。
この記事は弊社発行「IWASAKI技報」第30号掲載記事に基づいて作成しました。
(2014年5月29日入稿)
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