技術資料

LEDトンネル照明器具 - LEDioc TUNNEL™ 入口照明 -

製造統括本部 照明部 商品開発課
製造統括本部 照明部 LEDエンジニアリング課
製造統括本部 照明部 LEDオプトデザイン課

1．はじめに

LEDトンネル照明器具は，基本照明部は本格的に普及しつつあるが，顧客要望としてはトンネル照明をすべてLED化したいとの要望が強くなっている。現在HID光源で運用している入口照明用のトンネル照明器具についても，早々にLED光源を採用した器具が必要となる。こうした市場動向の中で，当社としても，この状況に対応すべく本開発を行った。

2．商品概要

器具の外観図を図1に示す。商品仕様を表1，品種一覧を表2に示す。

表2 品種一覧

器具タイプ		NH180W相当	NH220W相当	NH270W相当	NH360W相当
形式	一般形	KWE1801	KWE2201	KWE2702	KWE3602
	調光形	KWE1801D1	KWE2201D1	KWE2702D1	KWE3602D1
配光制御方式		レンズ+反射鏡	レンズ+反射鏡	反射鏡	反射鏡
定格光束(ℓm)		12600	18900	24800	31000
消費電力(W)		109.9	163.5	214.0	264.0
最大VA(VA)		126	186	244	302
寿命(h)		90000	90000	75000	75000
製品

• ※設計寿命であり，その寿命を保証するものではない。

3．特徴・機能

3.1 業界最小ボディ

器具背面に当社独自のアルミヒートシンクを採用することで，小型軽量化を実現した。

NH180W・NH220W・NH270W・NH360W相当の4タイプ全てが740mm筐体である。入口照明で多く使われている既存の高圧ナトリウム器具とほぼ同じ大きさであるため，リニューアルの際の照明器具の配置が容易である。

当社独自のアルミ製ヒートシンク構造で放熱効果が高まり，長寿命とコンパクト化を実現

図2 ヒートシンク部

入口照明に多く使われている既設の高圧ナトリウム灯と大きさがほぼ同じなため，基本照明に干渉することなく，同じスペースに取付けることが可能

図3 大きさ比較

3.2 低消費電力化

COBタイプ^(※1)の高効率・高出力LEDパッケージを採用，高効率LED電源ユニットの組み合わせにより，低消費電力化を達成し，業界トップクラスのLCC(ライフサイクルコスト)を実現した。

• ※1：COB(チップオンボード)，多数のLED素子を直接基板上に実装する構造をいう。均一な一つの面で発光するため，面発光に近く，明るさのムラの少ない自然な照明環境が得られる。

3.3 長寿命化

LEDユニット(光束維持率80％)と電源ユニットの設計寿命はNH180W～220W相当が90000時間，NH270W～360W相当が75000時間と，業界トップクラスの設計寿命となった。

3.4 初期光束補正機能

電源ユニットに内蔵したマイコン電流制御により，点灯開始から寿命末期まで一定の路面輝度を保ち，点灯初期の過剰な明るさを抑える初期光束補正機能を標準装備した。

3.5 ユニット交換方式

LEDユニット・電源ユニットを分離，それぞれの部品が交換可能である。

3.6 2系統点灯機能

1系統の故障時にも，残りの1系統が点灯し，全不点になることを防ぐことができ，その際の配光形状も維持することができる。

4．おわりに

本開発により，高圧ナトリウムランプ搭載のトンネル入口照明器具4タイプ(360W，270W，220W，180W)に相当するLED器具を製品化することができ，トンネル照明のオールLED化の提案が可能になった。

トンネル照明では照明器具を採用する際，ライフサイクルコストが重要な要素となってくる。今後は，ライフサイクルコストにおいての優位性を高めるため，光束バリエーションを拡大し，様々な照明設計の条件に対応できる商品展開を目指す。