技術資料

LED街路灯 - LEDioc AREA mitis™(リニューアル) -

製造統括本部 照明部 商品開発課
製造統括本部 照明部 LEDエンジニアリング課
製造統括本部 照明部 LEDオプトデザイン課

キーワード

LED,街路灯,LEDioc AREA mitis™,ポールライト,長寿命,省エネ,高出力

1.はじめに

これまで既存HID製品の筐体を流用した「LEDioc mitisシリーズ」で水銀ランプ100W相当品を2010年に発売した。それ以降,LED照明器具が普及していく中で高出力製品が市場より求められており,「LEDioc AREA mitis-B」,「LEDioc AREA mitis-D」,「LEDioc AREA mitis-P」の高出力化と,HID器具において好調な販売数で推移している「mitis-C」のLED化を図った。

2.商品概要

製品一覧・商品構成を表1,製品仕様を表2,共通仕様を表3に示す。

表1 商品一覧・商品構成
タイプ 光源色 形式 備考
mitis-B

昼白色 E6074SA9N  
電球色 E6074SA9LW
昼白色 E6075SA9N  
電球色 E6075SA9LW
mitis-C
昼白色 E5041SA9N  
電球色 E5041SA9LW
mitis-D
昼白色 E5042SA9N  
電球色 E5042SA9LW
mitis-P
昼白色 E5043SA9N 電源装置内蔵
電球色 E5043SA9LW
表2 製品仕様
形式 本体材質 天板材質 グローブ材質 アーム材質
ベース材質
E6074SA9N アルミダイカスト ステンレス 強化処理ガラス
(フロスト)
ステンレス
E6074SA9LW
E6075SA9N
E6075SA9LW
E5041SA9N アルミダイカスト ステンレス 強化処理ガラス
(フロスト)
アルミ鋳物
E5041SA9LW
E5042SA9N アルミダイカスト ステンレス 強化処理ガラス
(フロスト)
アルミ鋳物
E5042SA9LW
E5043SA9N アルミ鋳物 アルミ鋳物 プリズムアクリル
(クリア)
アルミ鋳物
E5043SA9LW
  • ※E5041(mitis-Cタイプ)の上部グローブはアクリル(乳白色)。
表3 共通仕様
入力電圧 100~242V
使用温度範囲 -20℃~+35℃
耐雷サージ コモン15kV
設計寿命 60000時間
保護等級 IP23

3.特徴・機能

①明るさアップ

搭載するLEDの変更と放熱構造を見直すことで,表4の通り従来品と比較して2倍以上(mitis-Pは約1.3倍)の定格光束(器具光束)に向上させている。

表4 従来品との特性比較
新商品 従来品 従来比
(光束値)
形式 消費電力
(200V時・平均)
定格光束
(器具光束)
形式 消費電力
(200V時)
定格光束
(器具光束)
E6074SA9N 65.0W 5110ℓm E6035SA1/2N 40.3W 2300ℓm 2.2倍
E6074SA9LW 3470ℓm E6035SA1/2LW 1470ℓm 2.4倍
E6075SA9N 130.0W 10220ℓm E6039SA1/2N 80.6W 4600ℓm 2.2倍
E6075SA9LW 6940ℓm E6039SA1/2LW 2940ℓm 2.4倍
E5042SA9N 65.0W 4140ℓm E5042SA9N 33.2W 1520ℓm 2.7倍
E5042SA9LW 2810ℓm E5042SA9LW 970ℓm 2.9倍
E5043SA9N 35.3W 1180ℓm E5043SA9N 18.6W 920ℓm 1.3倍
E5043SA9LW 760ℓm E5043SA9LW 590ℓm 1.3倍

②空間照明の演出

新たに商品化を行ったLED AREA mitis-CタイプはHID器具と同様に,器具下面から照射する基本照明と,上部グローブ(乳白グローブ)から透過された柔らかな光が照明器具周囲の空間を和やかに演出する。上部グローブからの照明は,LEDの配置と内部構造に配慮した設計を行った結果,グローブをムラなく均一に光らせつつ使用するLEDの数量を最小とする事が可能となった。

配光特性及び器具構造を図1,表5に示す。

図1 配光特性及び器具構造

表5
形式 光源色 消費電力
(200V時・平均)
定格光束
(器具光束)
E5041SA9 昼白色 85.0W 5030ℓm
E5041SA9LW 電球色 3420ℓm

③初期光束補正機能を標準装備(電源別置形のみ)

設置後初期の過剰な明るさを補正して明るさを寿命末期まで一定に保つため,余分な電力を抑制することが可能である。

4.おわりに

①まとめ

既存製品のリニューアルである為に設計上の制約がある中で,当初の目的であった高ワット化による定格光束(器具光束)の改善の他に,マルチ電圧化,長寿命(設計寿命)化,耐雷サージ電圧の改善などを盛り込むことができた。

②今後の予定

公園・街路の市場においてもLED照明器具の採用は急速に進んでいる。その中で配光特性や定格光束(器具光束)等の基本性能の他に,タイマやコントローラ・センサによる点灯・調光などの制御や,光源色の可変といったLED照明器具の特徴である機能を有する製品が要望されている。デザイン性の高さや高機能を特徴とする製品群の商品展開を更に進めていく必要がある。

この記事は弊社発行「IWASAKI技報」第28号掲載記事に基づいて作成しました。
(2013年5月15日入稿)


テクニカルレポートに掲載されている内容は、原稿執筆時点の情報です。ご覧の時点では内容変更や取扱い中止などが行われている可能性があるため、あらかじめご了承ください。