技術資料

LED防犯照明器具 - LEDioc STREET™ 20VA -

製造統括本部 照明部 商品開発課
製造統括本部 照明部 LEDエンジニアリング課
製造統括本部 照明部 LEDオプトデザイン課

1．はじめに

近年，CO₂の削減や省エネ等の環境意識の高まりから，LED照明器具の導入が積極的に行われており，各地自治体・地域の自治会においても，LED防犯灯の導入が進んでいる。当社としても，既に数種類のLED防犯灯をリリースはしているが，競合他社との性能争いは激しく，20VAタイプにおいては，配光性能・価格ともに競争力が低下していた。

本開発では，LED防犯灯20VAの配光性能・コスト改善を目的とし商品化を行った。

2．商品概要

器具の外観図を図1に示す。商品仕様を表1，品種一覧を表2に示す。

3．特長・機能

(1)光束維持率90％以上

LEDの熱を効率良く放熱させる灯具本体形状を採用したため，光束維持率90％以上(91.5％)を達成し，設置当初からLEDモジュール寿命末期まで明るさを持続。当社従来品や他社製品と比較して高い保守率「光束維持率91.5％×汚れ係数0.9＝0.82」を標準保守率として採用。

(2)日本防犯灯設備協会 技術基準【クラスB 34m】を達成

専用レンズにより高度な配光制御を行い「クラスB 34m^※」を実現し，従来品の配光性能を大幅に上回る特性を得た(図2)。

• ※照明条件：道路幅員5m，取付高さ4.5m，保守率0.82，路面反射率10％

図2 水平面照度分布

(3)コンパクト形蛍光ランプ FHP32W用防犯灯を上回る明るさを達成

コンパクト形蛍光ランプ FHP32W用防犯灯と同等以上の空間の明るさを維持しながら，電灯料金契約区分を1ランク下げることができるため，電力料金を削減し，大幅にCO₂排出量を抑制できる(表3)。

• ※1：電源電圧100V時の特性を示す
• ※2：電気料金は、東京電力(株)電気供給約款(平成24年9月1日実施)公衆街路灯Aより算出
• ※3：CO₂排出量は0.43kg-CO₂/kWh、年間点灯時間4000時間で計算

(4)幅広い使用環境に対応

使用温度範囲-20～＋35℃と寒冷地でも使用可能。 灯具全体に熱量を持ち，傾斜のついた形状の為，つららが生成しにくい設計。

(5)照明器具設置後でも周辺状況に合わせ取付可能な光抑制オプションパーツを標準ラインアップ

①前方・後方遮光板

②側方遮光フード

③グレアカットフード

4．おわりに

本開発により，従来品に比べ，価格・配光性能共に大幅に改善された照明器具を商品化することが出来た。

防犯灯に限らず，LED照明事業の進歩はめまぐるしい。そういった中，現状に満足せず，新商品の開発に取組んでいく必要がある。