施設報告
新潟駅南口広場の整備
国内営業部 東日本技術設計センター
国内営業部 新潟営業所
国内営業部 熊本事務所
キーワード
新潟駅南口,駅前広場,道路照明,広場照明
1.はじめに
1.1 施設の概要紹介
新潟市で段階的に進められている「新潟駅周辺整備計画」の一環として,新潟駅南口広場の整備が行われ,南口中央広場,駐車場送迎用乗降場,タクシー乗り場,新潟空港リムジンバス乗り場,路線バス乗り場が完成した。駅舎の目の前に広がる南口中央広場は約1350m²のゆったりとした空間で,ケヤキの木が植えられ,ベンチも配されるなど公園のような趣を持ち,憩いや待ち合わせの場所として活用されている。(図1,図2)
1.2 竣工年月
第64回国民体育大会「トキめき新潟国体~トキはなて君の力を大空へ~」の本大会が2009年9月26日~10月6日まで開催されたが,上記広場整備はこの大会に合わせて竣工された。
2.照明設計
2.1 設計コンセプト(照度・雰囲気)
駅前広場は,JIS Z 9110-1979の付表9より5ℓx~30ℓxを満足すること,また,交差点照明については,道路照明設置基準・同解説(平成19年10月)の局部照明・交差点より20ℓxを満足するように検討が行われた。
2.2 照明手法(バスシェルター,タクシー乗り場)
シェルター照明として設置する投光器は,設置高さが低いことから,直射光が待合者の目に入り不快感を与えるため,シェルター天井部に照射する間接光として設置した。(図3)
2.3 設置箇所及び数量
設置箇所は,道路・歩道・広場・シェルター・バス停と多岐にわたり,2.1 設計コンセプトに示した要件を満足するような形で設置した。内訳は以下の通りである。
- 道路照明(1灯用・27セット,2灯用・1セット,3灯用・4セット)
- ハイウェイ灯(KSN-2)+220W FECセラルクスエース®(M220FCELS-W/BH)+12mデザイン柱
- 歩道照明(1灯用・8セット,2灯用・11セット)
- ポールライト(H6174,H6175)+70W セラルクス®(MT70FCE-DW/S)+4mデザイン柱
- 広場照明(2灯用・8セット)
- HID投光器(HCF0773BHE/W)+70W セラルクス®T(MT70CEH-LW/G12)+12mデザイン柱
- シェルター照明(54台)
- HID投光器(HCF0773BHE/W)+70W セラルクス®T(MT70CEH-LW/G12)
- バス停(4台)
- LED 6W ダウンライト(特注)
3.設備概要
3.1 設備の全体概要
新潟駅南口整備に伴い,周囲の白色を基調とした建築物にマッチするように,照明柱,照明器具を白色で統一した。道路照明,広場照明は機能性を考慮した上で12m柱を採用し,独創性の中にシンプルさを基調としたデザインを考慮した。(図4~図6)
3.2 照明効果(照度・演色性・色温度・CO₂削減)
照度は,各施設で概ね10ℓx~30ℓx程度を確保し,交差点部では安全を考慮した上で,20ℓx以上を確保した。(図7~図10)
演色性は,道路照明 Ra75,歩道照明 Ra90,シェルター・広場照明 Ra90,のランプを採用し,用途に応じた光源を検討した。歩道・シェルター・広場照明では,人の表情や服装を容易に認識する事を可能とし,安心して往来出来る空間を考慮した。
相関色温度は,3000K~3500Kのランプを採用することで,暖かみのある施設を創造し,ランプ効率の高いセラミックメタルハライドランプを採用することで,必要照度を低ワットで確保し,従来の水銀ランプと比較して,電力量の削減を可能とし,CO₂削減に貢献した。バス停においては次世代ランプの6W LEDダウンライトを使用することで,電力量の削減を可能とし,CO₂削減に貢献した。(図11,図12)
4.おわりに
市,設計グループと共に市民参加型のワークショップを実施して協議を重ねた上で整備された広場は,市民や新潟を訪れる人々のためのパブリックスペースとして誕生し,市民の方々が行うイベントの会場としても利用されている。
本施設照明設備の完成にあたり,御指導,御協力頂いた関係各位に感謝申し上げると共に,心より御礼申し上げる。
この記事は弊社発行「IWASAKI技報」第22号掲載記事に基づいて作成しました。
(2010年4月28日入稿)
納入事例
テクニカルレポートに掲載されている内容は、原稿執筆時点の情報です。ご覧の時点では内容変更や取扱い中止などが行われている可能性があるため、あらかじめご了承ください。