施設報告
新横浜駅北口駅前広場ペデストリアンデッキ
国内営業部 横浜営業所
キーワード
横浜市,駅前広場,ペデストリアンデッキ,省エネルギー,LED
1.はじめに
横浜市とJR東海が共同で進めてきた「新横浜駅・北口周辺地区総合再整備事業」の一環として整備されたもので,首都圏南西部の玄関口にふさわしい総合的な交通拠点の形成が図られた。直径50mの円形ペデストリアンデッキはJRの改札口がある2階に接続していて,駅改札口から地上に降りることなく駅前広場やバスターミナルに行くことができ,歩車分離を図ることで渋滞を緩和し,駅周辺施設利用者の利便性や安全性も大きく向上した。
本稿では同照明設備の概要について紹介する。
2.照明設備の概要
照明設備については,地上部(バスターミナル,交差点)とデッキ部に分けられる。
照明設計はJIS照度基準(JIS Z 9110-1979)を考慮して行い,利用者の安全性を確保している。各々の照度分布図を図1,図2に示す。
2.1 地上部
バスターミナルには,周囲環境への光害に配慮し,上方への漏れ光が少なく,デザイン的にも優れた2灯用照明柱H6160を12基設置した。光源は高効率(120ℓm/w),長寿命(24000h)の高圧ナトリウムランプ220W(NHT220LS)を採用し,省エネルギー,省メンテナンスを図るとともに十分な明るさを確保している。また,メンテナンス時の安全面にも考慮し,ランプ交換時の器具枠の落下を防止する為,落下防止ワイヤー付とした。(図3,4)
交差点には,交差点の安全性を高めるため,交差点専用照明器具H7116を円形デッキ部の内側壁面に添架させる形で4台設置し,交差点内でのドライバーの視認性を向上させ,均斉度の高い交差点照明となっている。光源はバスターミナルと同じく高効率(120ℓm/w),長寿命(24000h)の高圧ナトリウムランプ220W(NHT220LS)を採用し,省エネルギー,省メンテナンスを図るとともに十分な明るさを確保している。(図5,6)
2.2 デッキ部
デッキ部照明については,デッキ屋根部分に安定器内蔵形の小型投光器HCF0771BHEを57台設置した。これは,デッキ屋根部に安定器を置くスペースを確保するのが難しかったことと,歩行者の目につきやすい位置に取付くためコンパクトですっきりしたデザインのものという点を考慮して選定した。歩行者用照明ということで,光源には演色性の良いセラミックメタルハライドランプ70W(MT70FCE-DW/S)を採用し十分な明るさと良好な視環境を確保している。(図7,8)
また,側壁に次世代の主照明として注目されるLEDを用いたアプローチライトを100台配置し動線に誘導性を持たせ,夜間も快適な歩行者空間をつくり出すとともに,省エネルギー,省メンテナンスを図っている。(図9,10)
3.おわりに
今回新横浜駅という横浜方面の玄関口とも言える場所の再整備に,少しでも貢献できたことは大きな喜びである。今後も,LED,セラミックメタルハライドランプ,交差点専用器具など,新しい照明設備を積極的に提案していくことにより,交通の安全や省エネルギーという面で照明という分野が大きく貢献していくことを期待する。
最後に,本施設照明設備の完成にあたり,御指導,御協力頂いた全ての方々に厚く御礼申し上げる。
- ※本設計は,2009年IWASAKI環境照明賞を受賞。
この記事は弊社発行「IWASAKI技報」第22号掲載記事に基づいて作成しました。
(2010年5月12日入稿)
納入事例
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