施設報告
一般県道石筵(いしむしろ)本宮線横断地下道の照明設備
- LED投光器による歩行者カルバート照明の納入事例 -
国内営業部 仙台営業所
キーワード
横断地下道,新光源,LED,省エネ,環境
1.はじめに
東北自動車道(福島県・本宮IC~二本松IC区間)と一般県道石筵本宮線が交差する歩行者横断地下道に,新光源として注目されているLEDを使用した投光器が納入(平成21年2月竣工)されたので,その概要を紹介する(図1,図2)。
2.照明設計
2.1 施設概要
地下横断歩道の諸元を表1に示す。
地下道延長 | 31.0m | |
---|---|---|
歩道幅員 | 3.0m | |
地下道内面反射率 | 天井面 | ρc=0.60% |
壁面 | ρw=0.25% | |
路面 | ρf=0.25% |
2.2 設計照度
地下横断歩道の設計照度は,「立体横断施設技術基準・同解説」(日本道路協会)より以下の値に設定した。
- 地下横断歩道:階段及び通路 50ℓx以上
2.3 経済性の比較
使用する照明器具・ランプの選定にあたっては,下記の条件を考慮し検討を行った。
- 長寿命であること
- 保守管理に手間がかからないこと
検討器具としては,下記の3種類を対象とした。
- トンネル用照明器具 KWF0321B+FHF32×1
- トンネル用照明器具 KWFHP0451B+FHP45×1
- LED投光器 ECF0371SA1/2-NFS仕様
これらの組合せについて,年間維持費の比較を行った結果を表2に示す。
比較の結果,最も経済的なLED投光器(図3)が採用されることとなった。
案1 | 案2 | 案3 | ||
---|---|---|---|---|
条件 | 照明器具 器具形式 | KWF0321B | KWFHP0451B | ECF0371SA1/2-NFS |
ランプ形式 | FHF32W | FHP45W | LED 0.7W×24個 | |
照明器具台数(台) | 3 | 3 | 8 | |
年間点灯時間(h) | 8760 | 8760 | 8760 | |
ランプ費(円) | 1,220 | 2,100 | - | |
維持費 | ランプ寿命(h) | 12000 | 12000 | 60000 |
年間ランプ交換数(本) | 4 | 4 | - | |
ランプ交換人件費(円/本) | 1,768 | 1,768 | - | |
年間ランプ交換費(円) | 11,952 | 15,472 | - | |
消費電力(W) | 162 | 162 | 134 | |
月間電力費(円/月) | 756 | 756 | 756 | |
年間電力費(円/年) | 9,072 | 9,072 | 9,072 | |
年間維持費(円) | 21,024 | 24,544 | 9,072 | |
年間維持費(%) | 100 | 117 | 37 |
3.設備概要
LED投光器の取付断面図を図4に示す。投光器の場合,取付角度がフレキシブルに調節できるため,現地での微調整も容易に行うことが可能であった。
照度分布図を図5に示す。照度分布図の結果,設計照度50ℓxを確保することが確認された。
4.おわりに
照明設備の省エネルギー化や,温室効果ガス削減が求められている中,LEDは次世代光源として期待されており,今後益々の普及発展に大いに期待する。
最後に,本照明設備の納入にあたり,ご指導,ご協力頂いた関係各位に深くお礼申し上げる次第である。
- ※本設計は,2009年IWASAKI環境照明賞最優秀環境照明賞を受賞。
この記事は弊社発行「IWASAKI技報」第21号掲載記事に基づいて作成しました。
(2009年11月13日入稿)
納入事例
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