施設報告
青森県立柏木農業高等学校 植物栽培実験室 - 空き教室を利用した野菜工場 -
営業本部 東日本営業部 青森営業所
キーワード
青森県,柏木農業高等学校,きょうしつ野菜,空き教室の有効利用,少子化,冬の農業,安全・安心,高圧ナトリウムランプ
1.はじめに
青森県立柏木農業高等学校は青森県津軽地域南端の平川市北西部に所在し,創立82年目を迎える伝統ある高校で,農業高校としては全国にもその名を知られた学校であり,1万6千名を超える卒業生は各分野で活躍している(図1)。
同高校は平成19年度から2年にわたって,青森県庁内ベンチャー制度の活用で,「元気あおもり柏農発ハイテク農業プロジェクト」をスタートさせ,県農林水産部の職員の協力を得ながら,一層充実したハイテク農業の研究が実施されている。その一環で少子化による学校空き教室の再利用として,空き教室閉鎖空間における植物育成実証実験に取り組んでおり,高天井用セードと光合成に有効な光源として高圧ナトリウムランプを用いた照明設備が新設された。(平成20年4月竣工)
空き教室を有効利用した「きょうしつ野菜」の育成は,全国初の試みとして,地元の新聞・TVでも取り上げられ,生徒の学習意欲の向上にも寄与した(図2)。
2.照明設計
2.1 設計コンセプト
本施設の照明計画にあたっては,以下のようなコンセプトにて計画を行なった。
- セードは照明効率が高く,グレアを抑えたファセット形状の反射鏡を有すること。
- 光源は高効率,省エネ,長寿命,光合成および葉の展開に有効な波長を有すること。
- 植物の生育状況に応じて,高さ調節が可能なチェーン吊器具であること。
2.2 設計照度
本施設の設計照度は,育成植物であるレタスの光補償点1500ℓx,光飽和点25000ℓxの中間近似値であることと,快晴の青空における全天空照度が10000ℓxであることから,設計維持照度11000ℓxに設定した。
2.3 照度分布図および照明設備一覧表
図3に照度分布図,表1に本施設の照明設備一覧表を示す。
器具 | SAW413+O39-453C |
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ランプ | NH360FLS |
安定器 | H4CL2A352 |
設置高 | 育苗ベット面より1.5m |
数量 | 15台 |
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