施設報告
横浜・八景島シーパラダイス ふれあいラグーンの照明 - 夜の水族館を魅力的に照らす -
営業技術部 LCS
キーワード
横浜・八景島シーパラダイス,水槽,セラミックメタルハライドランプ,カラーランプ,投光器
1.はじめに
『ふれあいラグーン』は,2007年7月に横浜・八景島シーパラダイス内(神奈川県横浜市金沢区)にオープンした,新しい展示スタイル「Open Aquarium」をコンセプトとし,海の生きものたちとの様々な「ふれあい」を体験できる屋外形の新水族館である。施設は「ホエールオーシャン」,「ヒレアシビーチ」,「サカナリーフ」と3つのゾーンに分かれ,イルカやクジラ,セイウチ,オタリア,ゴマフアザラシ,ペンギンなど海の生きものたちがのびのびと暮らせるよう,生態に配慮するとともに,人と生きものが互いにふれあいながらコミュニケーションを取れるよう,ガラスや柵を可能な限り取り除くなど,開放的なつくりを大きな特長としている。また,海の動物たちの「ふれあいパフォーマンス」や,飼育トレーナーのもとイルカやクジラと触れ合える「ふれあいプログラム」も実施している。(図1)
2.照明設計
2.1 照明コンセプト
夜間においても海の生きものたちとの「ふれあい」を安全で安心して行なうために必要な明るさを確保することを基に,さまざまなゾーンに適した明るさ,照明手法で整備し,快適な視環境を提供する。明るさの目安として,明るい場所で維持照度200ℓxとしている。この数値は,施設関係者と共に八景島内の各施設を廻り,照度測定を行ない決定した。(図2,図3,図4)
2.2 照明設備
水槽照明では,水槽の多様化,設置位置の制限,水中への光の伝導,多様な視点場による観覧者へのグレア,保守の容易さ,低電力での明るさの確保を留意し,安定器内蔵形の150W小形投光器を主として採用し,自由度の高い照明を行なっている。
光源は,演色性に優れたセラミックメタルハライドランプを使用し,温かみのある3200Kの光で,夜の水族館を魅力的に照らしている。広場部・サカナリーフでは,広い範囲を均斉よく照明するため,ポールライトを配置している。高さは,梯子でメンテナンスをする事を考慮し,H=3.5mとしている(図5)。通路部では,フットライトのみを配置して明るさを確保している。一部通路脇に露出配置になり,取付位置の制限や防護柵の形状を留意し,特注のフットライトを採用している。また,導線が複雑なため,フットライトの裏側が見える場所があり,背面からも光の出るタイプを使用し,アイキャッチ効果を考慮している。(図6,図7)
主な納入器具
- アーバンアクトβ投光器 / 超狭角配光 - 11台
- アーバンアクトβ投光器 / 狭角配光 - 34台
- アーバンアクトβ投光器 / 中角配光 - 62台
- ミーティスアームタイプ - 8基
- 屋外ブラケット - 8台
- フットライト - 67台
- 特注フットライト - 37台 ほか
主な納入ランプ
- セラルクス® 3200K / 150W
- セラルクス® 3200K / 35W
- カラーランプ(ブルー) / 150W
- コンパクト形蛍光ランプ / 18W ほか
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