施設報告

向島運動公園多目的グランドの照明設備 - ルーバ内蔵投光器の照明 -

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国内営業事業部 広島営業所

キーワード

向島運動公園,多目的グランド,アクロスター™,光害対策

1. はじめに

図1 多目的グランド

向島運動公園は,広島県御調郡向島町(2005年10月市町村合併後 尾道市向島町)にある総合スポーツ施設である。施設内には多目的グランド,グランドゴルフ場,スケートパーク・テニスコートがある。多目的グランドは,サッカー・ラグビー・少年軟式野球・ソフトボール用の施設であり,今回夜間照明設備が新設(平成17年3月竣工)された(図1)。本稿では同設備の照明手法や設備概要について紹介する。

2. 照明設備の概要

2.1 設計照度

向島運動公園は,向島町民が気軽にスポーツを楽しめる場であることを目的としているので,多目的グランドの照度レベルは,各競技ともレクリエーションレベルとした。表1に各競技の設計照度を示す。

表1 設計照度及び均斉度
照明区分 競技区分 設計照度(ℓx) 照度均斉度
サッカー・ラグビー レクリエーション 水平面 100以上 0.25以上
少年軟式野球
(1面当たり)
内野 レクリエーション 水平面 300以上 0.25以上
外野 水平面 150以上
ソフトボール
(1面当たり)
内野 レクリエーション 水平面 150以上 0.25以上
外野 水平面 75以上

2.2 照明器具

本施設は被照面積が広く,近隣に民家があるため効率が高く漏光が抑えられる照明器具が望ましい。よって,従来の投光器と比べ照明効率が高く,内蔵ルーバにより漏光が抑制できるアクロスター™(中角形 1.5kW)を採用した。

2.3 配置と取付高さ

図3 照明器具設置状況

サッカー及びラグビー(兼用競技場)の場合,JIS基準(JIS Z9121)によれば原則としてサイド配置(8ヵ所)となる。国際照明委員会(CIE)によれば兼用競技場をサイド配置で照明する場合は,8ヵ所配置,6ヵ所配置及び4ヵ所配置となる。

野球の場合,JIS 基準(JIS Z9120)によれば原則として6ヵ所配置とし,レクリエーション施設では諸種の理由によって照明器具の配置数量をやむを得ず減じる場合は,少なくとも4ヵ所以上に配置する必要があるとしている。

ソフトボールの場合は,特に規定が無いため野球に準じるものとした。

本施設では,サッカー,ラグビー,少年軟式野球及びソフトボールの照明を兼用し,点灯パターンや建柱位置が限られることから,サッカー及びラグビーではサイド配置(6ヵ所),少年軟式野球では5ヵ所配置,ソフトボールでは4ヵ所配置とした(図2)。

照明器具の取付高さは,JISの計算法にて計算し,最下段24mとした(図3)。

図2 照明柱配置図


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