施設報告
さいたま市北部拠点宮原土地区画整理事業の照明設備
国内営業事業部 開発営業部 広域開発グループ
国内営業事業部 北関東技術設計センター
国内営業事業部 営業技術部 中央技術設計センター
キーワード
さいたま市,宮原,ツインアーク,高演色ランプ,ステラタウン
1. はじめに
さいたま市における副都心の中核を担う新しいまちとしての位置づけのもと,道路や公園などと宅地,商業街区が一体的に整備された新しい町が誕生した。
この地区は,富士重工業(株)の大規模工場跡地を中心として,総面積約31.7haというスケールを持つ区域で,「さいたま市美しいまちづくり景観条例に基づく景観形成重点地区」に指定された。この区画整理事業は,さいたま市と富士重工業(株),都市基盤整備公団,地権者が「まちづくり協議会」を発足させ,高質で一体的な都市空間の整備を目標に新しいまちづくりを進めて完成した。
街路照明についても,緑豊かな街並みにふさわしい快適で安全な視環境をつくるために,それぞれの通りの性格に合わせて十分に検討された照明計画が実施され,新しい街並みを高品質な照明でやさしく照らしている。
2.照明計画
この地区は,大きく分けて加茂宮広路線,きたまち公園通線,きたまち北通線,きたまち東通線といくつかの区画道路で構成されている。(図1)照明計画は,公共空間整備における景観形成の重要な要素のひとつであるため,それぞれの街区の特性にあわせて,器具デザイン,光源,配置など選定を行った。
道路名 | 加茂宮広路線 | きたまち公園通り | きたまち北・東通り 区画道路 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
設計照度 | 1.0cd/m² | 5ℓx | 1.0cd/m² | 5ℓx | 0.7cd/m² | - | 5ℓx | ||
記号 | ○ | ○ | □ | ● | ○ | ||||
照明器具形式 | 車道照明器具×2 | 歩道照明器具 | 車道照明器具 | 歩道照明器具 | 車歩道照明器具 | 車歩道照明器具 | ボラード形足元灯 | 歩道照明器具 | 歩道照明器具 |
ランプ形式 | HNH40/22LF×2 | MT70W×2 | HNH40/22LF | MT70W×2 | HNH40/22LF MT70W×2 |
HNH20/11LF MT70W×2 |
FDL9W×2 | MT100W×2 | MT70W×2 |
光束(ℓm) | 20000×2 | 5000×2 | 20000 | 5000×2 | 20000 5000×2 |
8000 5000×2 |
520×2 | 7000×2 | 5000×2 |
高さ(m) | 8.4 | 4.0 | 8.4 | 4.0 | 8.4 3.2 |
7.1 2.9 |
- | 4.0 | 4.0 |
数量 | 11 | 50 | 29 (6) |
34 | 45 | 53 | 34 | 12 | 12 |
備考 | (交差点部は 歩道器具付) |
加茂宮広路線は,地域を縦断する幹線で,道路幅も大きいため,中央分離帯に2灯用の照明柱を設置し,都市空間の骨格形成するモニュメント性の高い照明としている。両脇の歩道には,歩行者専用の歩道照明柱で快適な歩行空間を演出している。(図2)2灯用照明柱を図3に,歩道照明柱を図4に示す。
加茂宮広路線と交差するきたまち公園通線は,公園が隣接しているため,公園側の歩道には,公園部への光のもれを考慮して歩道照明柱のみを設置し,反対側には,車道と歩道照明を兼用して車道照明柱を設置している。(図5)歩道照明柱を図4に,車道照明柱を図6に示す。
きたまち北通・東通線は,この地区の輪郭形成する道路で,車歩道灯を千鳥配列に設置して周囲の地域との調和を図っている。
区画道路は,輪郭形成する道路には車歩道灯(図6),歩道専用道路は歩道照明をメインにし,スツール形の足元灯を併置して,光の変化をつけた照明となっている。足元灯の姿図を図7に示す。
灯具デザインについては,全体の計画をまとめた(株)アーバン・ハウス都市建築研究所が担当した。埼玉県は歴史がある町で,和風の雰囲気を考慮し,車道灯,歩道灯ともに謡曲楽器の鼓をイメージしたデザインとしている。
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