施設報告

桃山学院大学グラウンド照明 - メイングラウンド,サブグラウンド納入施設例 -

国内営業本部 西日本技術設計センター
国内営業本部 大阪営業所 第一営業課

キーワード

桃山学院大学,グラウンド照明,高出力LED投光器,省エネ

1.はじめに

「桃山学院大学」は,大阪府和泉市に所在し,開学56年目を迎える伝統ある大学である。スポーツが盛んであることが有名で,大学内には2つのグラウンドが完備されており,どちらのグラウンドもナイター設備が整えられている。メイングラウンドにはトラック付きの人工芝グラウンドがあり,陸上競技を中心に,ラグビー,アメリカンフットボールなど各種競技に使用され,サブグラウンドは,サッカー,ソフトボールを中心に多目的に使用されている。

このたび照明設備の老朽化に伴い,消費電力の削減による省エネを目的として,ナイター設備を全て高出力LED投光器に取り替える改修を行った(図1,図2)。

本稿では,同照明設備の概要について紹介する。

図1 メイングラウンドの照明状況

図2 サブグラウンドの照明状況

2.照明設計

2.1 設計コンセプト

本施設の照明計画にあたっては,以下のコンセプトに基づいて設計を行った。

  1. 電気料金及びメンテナンスコスト,ランニングコストの削減
  2. 既設と同等の照度の達成
  3. 既設と比較して学生に違和感を与えない光源の採用

2.2 設計照度

本施設は,メイングラウンドはJIS照度基準の陸上競技のレクリエーションレベル(照度100ℓx以上),サブグラウンドはサッカーのレクリエーションレベル(照度100ℓx以上)を確保しつつ,共に既設のメタルハライドランプ1kWでの照度と同等の照度値になるように設定した。図3,図4にメイングラウンド,サブグラウンドの照度分布図を示す。

図3 照度分布図(メイングラウンド)

  • 注) 1.曲線上の数値は,維持水平面照度を示す。単位(ℓx)
凡例
照明器具形式 E6521N/
SA2/2.4
E6523N/
SA2/2.4
光源形式 LED LED
器具光束(ℓm) 61000 58000
保守率 0.83 0.83
照明塔 灯高(m) 台数
No.1 25 13 4
No.2 25 13 4
No.3 25 12 4
No.4 25 12 4
合計 50 16
66
照度及び照度計算範囲
競技場内
維持平均照度(ℓx) 173
最小照度(ℓx) 90
均斉度(Min/Ave) 0.52

図4 照度分布図(サブグラウンド)

  • 注) 1.曲線上の数値は,維持水平面照度を示す。単位(ℓx)
凡例
照明器具形式 E6521N/
SA2/2.4
E6523N/
SA2/2.4
光源形式 LED LED
器具光束(ℓm) 61000 58000
保守率 0.83 0.83
照明塔 灯高(m) 台数
No.1 15 6 1
No.2 15 6 1
No.3 15 6 1
No.4 15 6 1
合計 24 4
28
照度及び照度計算範囲
サッカー場内
維持平均照度(ℓx) 174
最小照度(ℓx) 75
均斉度(Min/Ave) 0.43

3.照明設備

3.1 照明設備概要

照明設備については,既設がメタルハライドランプ1kWによる投光照明であったことと省エネを目的としていることから高出力LED投光器650Wタイプ(LEDioc FLOOD DUELL™ E6521N/SA2/2.4及びE6523N/SA2/2.4)を採用し,メイングラウンドでは計66台,サブグラウンドでは計28台使用している。照明柱はコンクリート柱で架台と共に既設を流用している(図5,図6)。

図5 照明器具設置状況(メイングラウンド)

図6 照明器具設置状況(サブグラウンド)

3.2 照明効果

メイングラウンドでは既設のメタルハライドランプ1kWが84台,サブグラウンドでは40台であったのに対し,上記設計コンセプトに基づいて高出力LED投光器に改修することで,メイングラウンドでは66台,サブグラウンドでは28台に抑えることができ,明るさも既設同等の明るさを確保することができた。また,電気料金もメイングラウンドで約5割,サブグラウンドで約6割削減できるようになった。

4.おわりに

本施設では,競技を行う学生に,今までと同様に夜でも競技に安全に,また集中して取り組んでいただくことができる設備を提供することができた。

先日,プロ野球の試合に使う屋外球場で初めて当社の高出力LED投光器が採用され,プロ野球の場でもオールLED化が始まった。今後ますますプロ野球場やサッカー場等大型スポーツ施設の改修も増えてくることが予想される。当社がそれに貢献できることを願う。

最後に本照明設備の完成にあたり,ご尽力いただいた関係者各位に感謝して結びの言葉とする。

この記事は弊社発行「IWASAKI技報」第32号掲載記事に基づいて作成しました。
(2015年5月22日入稿)

納入事例


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