施設報告

みなとみらい線新高島駅の照明設備

国内営業事業部 第一営業部 関東技術設計センター
国内営業事業部 営業技術部 LCS

キーワード

みなとみらい線,新高島駅,海,LED,Hf蛍光ランプ,横浜市

1.はじめに

みなとみらい線は,横浜駅(神奈川県横浜市)からみなとみらい21地区を通り元町・中華街までの全長4.1kmの地下鉄として,平成16年2月1日に開通した。(図1)

それぞれの駅は,21世紀型の「駅」というコンセプトでデザインされている。

新高島駅は,「海」をイメージした建築となっており,建設された5駅の中で最も深く,地上1階地下5階,敷地面積4,038.45m²,建築面積209.08m²,延床面積14,701.89m²という規模である。(図2)

プラットホーム階(地下5階)は,スピード感がある水の流れ,コンコース階(地下2階)は,カーブした水の流れを表現している。また,道路横断施設階(地下1階)は,水の中から見た水面,地上上屋は,全面ガラスとして水面を表現している。

建築と一体感のある照明を主体としながら,現行にある駅舎の照度基準を確保することをめざして設計を行った。(図3)

図1 路線地図

図2 全体構造図

図3 昼間の景観

2. 照明設計

2.1 設計照度

JIS Z 9110-1979「駅舎の照明基準」のB級駅を考慮して,各エリアの設計照度を満足している。表1に設計照度一覧を示す。HIDランプを使用しているエリアでは,点灯が安定するまで明るさを確保するためにコンパクト蛍光灯を設置し,設計照度を設定した。これを瞬定点灯としている。

表1 設計照度一覧
区分 基準照度(ℓx) 設計照度(ℓx) 備考
B5F プラットホーム 200~300 300  
20 30 瞬定点灯時
B2F コンコース 400~500 400  
改札口 700~800 700  
B1F 道路横断施設 300 300  
20 20 瞬定点灯時
1F 地上上屋 300 300  
- 各旅客通路・階段 300 300  

2.2 プラットホーム階の照明設備

図4 プラットホーム階

プラットホーム階の照明は,基本照明としてHf蛍光ランプ32W×1灯用(5000K)トラフ形器具をラインに見せるため連結し天井切り込みに設置している。また,アクセントとして壁面沿いにHf蛍光ランプ32W×1灯用(5000K)建築化照明と柱にセラミックメタルハライドランプ70W(4200K)ブラケットを取り付けている。

吹き抜け部は,天井高さが7mあることからメタルハライドランプ150W(4500K)ダウンライトを収め,瞬定点灯の対応としてコンパクト蛍光ランプ42W×3(5000K)ダウンライトをメタルハライドランプ150Wの間に設置している。メンテナンス面を考慮して,すべての器具に電動昇降装置を採用している。(図4)

2.3 コンコース階の照明設備

図5 コンコース階

コンコース階の照明は,プラットホーム階と同様の基本照明としている。また,アクセントとしてカーブした壁面沿いにHf蛍光ランプ32W×1灯用(5000K)建築化照明を設置している。(図5)

改札口・券売機前は,設計照度を確保するために改札口には,コンパクト蛍光ランプ42W×2(5000K)ダウンライトを人の通過位置に設置し,券売機前には,コンパクト蛍光ランプ32W×2(5000K)ダウンライトを人の立ち位置真上に設置している。改札口付近の照度分布図(維持)を図6に示す。

図6 改札口付近の照度分布図(維持)

2.4 道路横断施設階の照明設備

図8 道路横断施設階

道路横断施設階の照明は,基本照明としてメタルハライドランプ250W(4200K)ダウンライトを設置し,天井部の大小さまざまな円形部分には,瞬定点灯を兼ねたコンパクト蛍光ランプ32W×2(5000K)ダウンライトが設置されている。図7に道路横断施設階の照度分布図(維持)を示す。

円形部分に配置することで,水面に差し込む光を表現している。(図8)

図7 道路横断施設階の照度分布図(維持)


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