納入事例

殺菌・滅菌システム 空気の殺菌

(財)結核予防会 複十字病院東京都清瀬市

結核院内感染防止対策の一つとして紫外線空気殺菌装置を設置

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  • 待合室に設置されている自立形空気循環式紫外線清浄機 エアーリア。

  • 内視鏡検査室には、部屋の空気のみを取り入れ紫外線ランプにより殺菌して送出する循環式空気殺菌灯を補完的に設置している。

  • 病院外観昼景。

施設概要

施主
(財)結核予防会 複十字病院

竣工

2008年7月

お客さまの声:財団法人結核予防会 複十字病院/副院長 安全管理室長 医師 尾形 英雄様

複十字病院は、戦後まもなく結核研究所附属療養所として発足し、結核研究所と密接な連携を取りながら、日本の結核医療の最先端を開拓してきました。1989年には複十字病院と改名し、現在は一般急性期病棟と療養型病棟を備えた複合型総合病院として、地域社会に貢献する医療体制を整えています。明治時代から昭和20年代までの長い間、「国民病」「亡国病」と恐れられた結核も、国をあげて予防や治療に取り組み死亡率は往時の百分の一以下にまで激減しました。しかし、全国の患者発生数は今も毎年3万人近くあり(2009年当時)、結核は過去の病気ではありません。空気感染する感染症であるため、人の多い都市部に集中する傾向があり、若年層で新たに発症する率も高くなっています。また、最近では気づかないまま感染していた人が、高齢や糖尿病などのために免疫力が低下し、30年後、40年後に発症する人も増えています。

複十字病院は、結核病床を併設する一般病院であることから、さまざまな院内感染防止対策を講じており、施設面でも改修を重ねてきました。その一つとして、2009年夏には内視鏡(気管支鏡)室、CT室、レントゲン室、レントゲン更衣室、ライナック室などに紫外線殺菌灯を全33台、設置しました。内視鏡室では、結核や肺ガンの疑いのある人の病気の見極めをする目的で内視鏡(気管支鏡)検査をしますが、肺の組織を取り出すため空気中に菌が飛散し、感染しやすい環境になってしまう危険性があります。その感染率は結核患者のいる普段の環境に比べ約100倍も高いと言われていて、特に万全の対策を講ずる必要があることから、従来のHEPA(高性能)フィルターによる空気浄化機に加えて、安全で強力な殺菌力を持つ紫外線殺菌灯を採用したものです。気管支鏡検査が終わってから、室内に浮遊する結核菌飛沫の殺菌を目的に、扇風機で室内空気の循環を行いながら、無人の状態でトラフ形殺菌灯を1時間タイマー点灯しています。また、室内に人がいる時にトラフ式・直射式は点灯できないため、内視鏡検査室には補完的に循環式空気殺菌灯を設置、24時間運転して常に空気中の飛沫菌濃度を減らす目的で使用しています。

既設建物の部屋の空気殺菌を行ううえで、紫外線殺菌はHEPAフィルターや陰圧化に比べてイニシャルコスト及びランニングコストが大幅に安い方法であること、米国ではCDC(米国疾病予防管理センター)の結核感染対策ガイドラインにおいて、HEPAフィルターと並んで空気感染予防対策として有効であることが認められ広く使用されていることなどにも着目のうえ、採用を決定しました。この他、待合室や病室などさまざまな人々が出入りする場所には、自立形空気循環式紫外線清浄機 エアーリアを設置し、病院施設に於ける衛生管理の徹底化に努めています。

主な納入器具