UV酸化水処理装置
UV酸化処理技術資料
有機物の分解について
発生したヒドロキシラジカルはフッ素に次ぐ酸化還元電位(表1)を有し、非常に反応性が高い。このヒドロキシラジカルを用いて有機物を酸化分解させる技術(UV酸化処理と呼ばれている)は、近年では促進酸化処理(AOP:Advanced Oxidation Process)と呼ばれ、有機物の酸化分解方法の一つとして注目を集めている。
超純水製造システムにて用いられている微量な有機物の分解
主に波長184.9nmの紫外線を用いた処理で、紫外線を水に直接照射することでヒドロキシラジカル(・OH)を発生(1式)1)させ、有機物を分解させる方法である。
廃水処理にて用いられている有機物の分解
波長253.7nmの紫外線と酸化剤(オゾン、過酸化水素等)との反応により発生(2、3式)2)するヒドロキシラジカルにより有機物を分解する方法である。
参考文献
- Okabe,H.(1978)Photochemistry of small molecules,p.202,John Wiley & Sons,Inc
- 宗宮功ら(1993)新版オゾン利用の新技術、三瑛書房.
UV酸化処理における処理効果
実験条件
- 実験方法
- 回分式
- 対象有機物
- アルキルフェニルエーテル型非イオン界面活性剤
R-C6H4-O(CH2CH2O)nH - 有機物濃度
- 1,200mg/ℓ(TOC濃度)
- 添加酸化剤
- 過酸化水素
- 酸化剤添加物
- 対象有機物のTOCに対してモル比にて4倍当量
表1 各物質の標準電極電位
酸化剤 | 反応 | E0(V) |
---|---|---|
フッ素 | F2(g)+2e-=2F- | 2.87 |
ヒドロキシラジカル | OH(aq)+H++e-=H2O | 2.38 |
オゾン | O3+2H++2e-=O2+H2O | 2.08 |
過酸化水素 | H2O2(ag)+2H++2e-=2H2O | 1.76 |
過マンガン酸 | MnO4-+4H++3e-=MnO2+2H2O | 1.70 |
次亜鉛塩素酸 | 2HClO(aq)+2H++2e-=Cl2(g)+2H2O | 1.63 |
塩素 | Cl2(aq)+2e-=2Cl- | 1.40 |
酸素 | O2+4H++4e-=2H2O | 1.23 |
臭素 | Br2(aq)+2e-=2Br- | 1.09 |
ヨウ素 | I2(s)+2e-=2I- | 0.54 |
(化学便覧基礎編改訂4版より抜粋) g:気体、aq:水溶液、s:固体
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