ライティング講座(照明講座)

照明計画資料

道路照明 - 計算例(連続照明)

(1)設計条件

表1.6、表1.7に示す設計条件で計算します。計算に使用する車道の断面図を図1.16に示します。

表1.6 設計条件
交通方式 一方交通
車道幅員 7.0(m)
灯具高さ 10.0(m)
オーバーハング -0.7(m)
保守率 0.70
配列 片側配列
灯具間隔 40(m)
路面舗装 アスファルト
定格光束 11600(ℓm)
表1.7 性能指標値
平均路面輝度 1.0(cd/m²)
総合均斉度 0.4以上
車線軸均斉度 0.5以上
視機能低下グレア 15(%)以下

図1.16 車道の断面図

(2)車道照明率の算出

図1.17 照明率曲線の例

設計に使用する照明灯具の直射照明率曲線は、図1.17とします。図1.16、図1.17より車道照明率を求めます。

下式より、灯具側路肩と車道を含んだ照明率(\( U_{1} \))を求めます。

\( U_{1}= \dfrac{W_{1}}{H}= \dfrac{(W+|Oh|)}{H} \)

\( \dfrac{(7+0.7)}{10}=0.77 \)

→ 照明率曲線図(図1.17)より\( U_{1}= 0.582 \)

下式より、路肩照明率(\( U_{2} \))を求めます。

\( U_{2}= \dfrac{W_{2}}{H}= \dfrac{|Oh|}{H} \)

\( \dfrac{0.7}{10}=0.07 \)

→ 照明率曲線図(図1.17)より\( U_{2}=0.043 \)

車道照明率Uは次の通り求めます。

\( U=U_{1}-U_{2}=0.582-0.043=0.539 \)

(3)路面輝度の算出

下式より、平均路面輝度を計算します。

\( Lr_{4}= \dfrac{F \cdot U \cdot M \cdot N}{S \cdot W \cdot K} \)

\( Lr_{4}= \dfrac{11600 \cdot 0.539 \cdot 0.7 \cdot 1}{40 \cdot 7.0 \cdot 15}=1.04 \)

ここに

\( Lr_{4} \)
平均路面輝度(計算値) (cd/m²)
\( F \)
灯具光束(ℓm)
\( U \)
車道照明率
\( M \)
保守率
\( N \)
配列係数(千鳥配列、片側配列N=1 向き合せ配列N=2)
\( S \)
器具間隔(m)
\( W \)
車道幅員(m)
\( K \)
平均照度換算係数(ℓx/cd/m²)
(路面舗装がアスファルトの場合:15 コンクリートの場合:10)

(4)輝度均斉度の計算

逐点法及び式-4、式-5によって総合均斉度及び車線軸均斉度を計算します。

4.1 総合均斉度の計算

表1.8 逐点法による輝度計算の結果(視線位置:走行車線)

単位(cd/m²)

m 0 4 8 12 16 20 24 28 32 36
6.65 0.78 0.79 0.79 0.82 1.09 1.39 1.42 1.39 1.31 1.04
5.95 0.9 0.87 0.83 0.83 1.04 1.29 1.39 1.41 1.39 1.15
5.25 1.05 0.94 0.84 0.78 0.93 1.15 1.27 1.38 1.43 1.24
4.55 1.1 0.98 0.86 0.74 0.83 1 1.15 1.28 1.43 1.29
3.85 1.1 1.01 0.85 0.69 0.72 0.88 1.02 1.17 1.37 1.29
3.15 1.07 1 0.82 0.64 0.65 0.76 0.92 1.05 1.27 1.26
2.45 0.99 0.94 0.76 0.6 0.58 0.69 0.81 0.93 1.13 1.16
1.75 0.86 0.83 0.69 0.54 0.52 0.62 0.72 0.82 0.98 1.01
1.05 0.68 0.69 0.61 0.49 0.47 0.56 0.63 0.71 0.84 0.83
0.35 0.51 0.55 0.52 0.44 0.42 0.51 0.56 0.62 0.7 0.65

\( Uo= \dfrac{Lmin}{Lr_{2}}= \dfrac{0.42}{0.91}=0.461 \)

4.2 車線軸均斉度の計算

表1.9 逐点法による輝度計算の結果(視線位置:走行車線)

単位(cd/m²)

m 0 4 8 12 16 20 24 28 32 36
5.25 1.05 0.94 0.84 0.78 0.93 1.15 1.27 1.38 1.43 1.24

\( Ul= \dfrac{Lmin(l)}{Lmax(l)}= \dfrac{0.78}{1.43}=0.545 \)

表1.10 逐点法による輝度計算の結果(視線位置:追越車線)

単位(cd/m²)

m 0 4 8 12 16 20 24 28 32 36
1.75 0.87 0.84 0.71 0.58 0.58 0.68 0.79 0.87 1.01 1.03

\( Ul= \dfrac{Lmin(l)}{Lmax(l)}= \dfrac{0.58}{1.03}=0.563 \)

(5)相対閾値増加TI値の計算

逐点法及び式-6により等価光幕輝度を算出します。

表1.11 逐点法による等価光幕輝度の計算結果(視線位置:走行車線)

単位(cd/m²)

m -23.4 -19.4 -15.4 -11.4 -7.4 -3.4 0.6 4.6 8.6 12.6
5.25 0.102 0.003 0.004 0.005 0.007 0.010 0.014 0.020 0.034 0.056

\( TI=65 \cdot \dfrac{Lv}{Lr_{3}^{0.8}}=65 \cdot \dfrac{0.102}{1.48^{0.8}}=4.8 \)

表1.12 逐点法による等価光幕輝度の計算結果(視線位置:追越車線)

単位(cd/m²)

m -23.4 -19.4 -15.4 -11.4 -7.4 -3.4 0.6 4.6 8.6 12.6
1.75 0.079 0.003 0.004 0.005 0.007 0.009 0.014 0.021 0.032 0.050

\( TI=65 \cdot \dfrac{Lv}{Lr_{3}^{0.8}}=65 \cdot \dfrac{0.079}{1.48^{0.8}}=3.7 \)

(2020年11月20日入稿)

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