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照明計画資料

防爆照明 - 防爆構造の記号

ガス防爆用器具には、次に示すような記号を使用して、その器具の防爆構造、性能を表しています。

表12.10 防爆構造の種類を示す記号
構造規格による表示国際整合防爆指針による表示
防爆構造であること-Ex
防爆構造の種類耐圧防爆構造dd
内圧防爆構造fpx又はpy
安全増防爆構造ee
油入防爆構造oo
本質安全防爆構造ia又はibia又はib
特殊防爆構造ss
非点火防爆構造nA、nC、nR、nL-
樹脂充填防爆構造ma又はmbma又はmc

(参考文献 ユーザーのための工場防爆設備ガイド(2012))

構造規格

例1 eG3の場合、eは安全増防爆構造、G3は発火度を表す。例2 d2G4の場合、dは耐圧防爆構造、2は爆発等級、G4は発火度を表す。

国際整合防爆指針表示例

ExeⅡT3の場合、Exは防爆構造であることを示す記号、eは安全増防爆構造、Ⅱは電気機器グループⅡ(工場・事業場のもの)、T3は温度等級、Xは取付姿勢など使用条件のある場合を表す
ExdⅡBT4Xの場合、Exは防爆構造であることを示す記号、dは耐圧防爆構造、ⅡBは電気機器の分類されたグループ、T4は温度等級、Xは取付姿勢など使用条件のある場合を表す
ExdⅡB+H2T3Xの場合、Exは防爆構造であることを示す記号、dは耐圧防爆構造、ⅡBは電気機器の分類されたグループ、H2は水素ガス対応、T3は温度等級、Xは取付姿勢など使用条件のある場合を表す

表12.11 爆発等級又はグループを示す記号
防爆構造の種類 記号
構造規格による爆発等級 国際整合防爆指針によるグループ
耐圧防爆構造 1,2,3(a,b,c,n) ⅡA、ⅡB、ⅡC
内圧防爆構造 -
安全増防爆構造 -
油入防爆構造 -
本質安全防爆構造 1,2,3(a,b,c,n) ⅡA、ⅡB、ⅡC
特殊防爆構造 - -
非点火防爆構造 - -
樹脂充填防爆構造 - -
a
水性ガス及び水素 (水性ガスとは、水素をコークスより生成するときに発生する)
b
二硫化炭素/c:アセチレン
n
爆発等級3のすべてのガスを対象

(参考文献 ユーザーのための工場防爆設備ガイド(2012))

表12.12 発火度又は温度等級を示す記号
防爆構造の種類 記号
構造規格による発火度 国際整合防爆指針による温度等級
各種防爆構造に共通 G1、G2、G3、G4、G5 T1、T2、T3、T4、T5、T6

(参考文献 ユーザーのための工場防爆設備ガイド(2012))

表12.13 可燃性ガス又は蒸気の発火度の分類
発火度 発火点の値(℃) 温度上昇限度(℃)
G1 450を超えるもの 320
G2 300を超え450以下 200
G3 200を超え300以下 120
G4 135を超え200以下 70
G5 100を超え135以下 40

(参考文献 ユーザーのための工場防爆設備ガイド(2012))

表12.14 電気機器の温度等級に対応するガス又は蒸気の分類(国際整合技術指針)
電気機器の最高表面温度(℃) 温度等級 ガス又は蒸気発火温度の値(℃) 温度上昇限度(℃)
450以下 T1 450を超えるもの 410
300以下 T2 300を超え450以下 260
200以下 T3 200を超え300以下 160
135以下 T4 135を超え200以下 95
100以下 T5 100を超え135以下 60
85以下 T6 85を超え100以下 45

(参考文献 ユーザーのための工場防爆設備ガイド(2012))

表12.15 防爆器具構造の比較例
工場電気設備防爆指針(ガス蒸気防爆2006) 国際整合技術指針(2015改定)
防爆構造の種類 耐圧防爆形 安全増防爆形 耐圧防爆形 安全増防爆形
防爆構造の記号 d e Exd Exe
防爆構造の目的 万一器具内部で爆発が超こってもその爆圧に耐え、外部に引火しない構造 温度上昇、絶縁等に特に安全度を要し、容器内にちり、ほこりが入らない様にした構造 万一器具内部で爆発が超こってもその爆圧に耐え、外部に引火しない構造 温度上昇、絶縁等に特に安全度を要し、外部からの損傷等に対する安全性を高めた構造
温度上昇の制限 イ)容器外面
ロ)外部引出端子部
ハ)安定器巻線
ニ)口金
イ)容器内外面
ロ)同左
ハ)同左
ニ)同左
イ)容器外面
ロ)外部引出端子部
ハ)安定器巻線
ニ)口金
イ)容器内外面
ロ)同左
ハ)同左
ニ)同左
錠締の必要な場所 防爆性保持に必要なすべての部分 使用中取りはずしをし、裸充電部が露出する部分 なし
(注意書き表示必要)
なし
ガード (要)強さを規定 (要)強さを規定 ガードによって保護されることが望ましい
保護カバー 材質、肉厚を規定、機械的強度を規定 同左 材料、機械的強度を規定 同左
電気的安定度 特に安全度を増すよう使用材料等規定 同左 特に安全度を増すよう使用材料等規定 同左
ネジ嵌合 ピッチ、嵌合山数、嵌合長さを規定 同左(端子箱部) ピッチ、嵌合山数、嵌合長さを規定 同左(端子箱部)
ゆるみ止 (要) (要) (要) (要)
容器の強さ 内容積に応じ8〜10[kg/cm²]の内部圧力に耐えること - 強さを規定 -
容器の保護等級 - - - 内部に裸充電部がある容器IP54以上

一方、粉じん防爆では、次のように表されます。

SDP12の場合、SDPが防爆構造を表し、12が発火度を表す

また、粉じん防爆特殊防じん構造は、爆燃粉じん及び可燃性粉じん危険場所に使用し、粉じん防爆普通防じん構造は可燃性粉じん危険場所に使用します。

(2021年3月22日入稿)

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