ライティング講座(照明講座)

照明計画資料

建築化照明 - 建築化照明

建築化照明とは、「光源を天井や壁などに組み込み、建築構造と一体化させた照明方式」をいいます。次にそれぞれの照明方式の特徴を示します。

コーニス照明

特徴
コーニス(下面開放)
  • 壁が明るくなり、広がり感が得られる。
  • カーテン・ブラインド照明によく用いられる手法である。
  • ランプが視野に入らないためには、遮光角が45°以上必要である
コーニス(ランプ遮光)
  • 壁が明るくなり、広がり感が得られる。
  • 通路などでコーニスに平行に見る場合に、ランプを見せないための手法である。
  • 施工が難しいという欠点がある。
コーニス(下面拡散ガラス)
  • 壁が明るくなり、広がり感が得られる。
  • コーナー型光天井とよく似た手法となるが、コーニスの場合は幅が狭く線形が強調される。
  • 天井と壁の境界部分が目立ったものとなる。
コーニス(下面ルーバ)
  • 壁が明るくなり、広がり感が得られる
  • 開放形や拡散ガラス形よりは壁の下方まで明るくなる。
  • エレベータホールや通路などによく用いられる。
コーニス(凹・dが小さい場合)
  • カーテン・ブラインド照明によく用いられる手法である。
  • コーニスを天井内に納められない場合に用いられやすい。
  • 天井が暗く感じられやすい。
コーニス(凸・dが大きい場合)
  • 壁廻りだけが明るくなり、その部分が強調される。
  • カウンターや店舗の棚の照明としてよく用いられる。
  • 広がり感が得られる。

トロファ照明

特徴
トロファ
  • アーチ形天井などとともによく用いられ、天井空間に明暗の変化が得られる。
  • ランプが直接見えないように視線方向に注意する。ランプ遮光角は45°以上必要である
トロファ(ランプ遮光)
  • ランプが直接見えないようにする手法である(無方向性)。
  • 空間に変化を与えたり、区分したい場合に用いられる。
  • 施工が難しいという欠点がある。

コーブ照明

特徴
コーブ(hが小さい場合)
  • 柔らかい光が空間全体に得られ、影の少ない環境となる。
  • 光の帯が天井面に生じ、空間に変化を与える。
  • 通路などに用いれば誘導効果が上がる。
コーブ(hが大きい場合)
  • 影のない柔らかい環境が得られ、店舗などのベース照明として用いられる。
  • 天井面が比較的一様に照明され、天井を高く感じさせる。
コーブ(上り天井)
  • シャンデリアと併用されることの多い手法である。
  • 天井を高く感じさせ、シャンデリアなどの輝きも適度なものとなる。
コーブ(下り天井)
  • 広い空間を視覚的に区分し、空間に変化を与える。
  • ダウンライトなど直接照明によって生じる陰影を和らげる。
  • デパート、ホテルのロビーなどに用いられる。

光天井

特徴
光天井(全体的)
  • 曇天時の屋外の雰囲気、影が少ない柔らかい光が得られるが、陰気な感じにもなりやすい。
  • S≦1.5・hでほぼ一様な輝きの光天井が得られる。
  • アクリル系は防災上面積の制限有り。
光天井(部分的)
  • 天窓がある感じで、明るく軽快な雰囲気が得やすい。
  • グレアレスダウンライトと併用されることが多く、単調になりがちな天井に変化を与える。
  • 店舗によく用いられる。
光天井(凸・部分的)
  • 天井面が明るくなるので、広く・高く感じられる。
  • 店舗では絵や模様入ガラスが用いられることもある。
  • 光天井は汚れや虫などが目立ちやすく、保守方法が課題である。
コーナー型光天井
  • 適度な陰影(立体感)が得られとても感じが良い。
  • グレアレスダウンライトと併用されることが多い。天井・壁が明るくなり、高く感じられる。
  • 通路などで誘導効果がある。

ルーバ照明

特徴
ルーバ天井(全体的)
  • 光天井と同様だが、光の拡散性がやや弱く、壁が暗くなる。
  • S≦1.5・hでほぼ一様な輝きになるが、ランプ長軸方向の光の模様は消せない。
  • アクリル系は防災面積の制限有り
ルーバ天井(部分的)
  • 光天井と同様だが、光の拡散性がやや弱く、壁が暗くなる。
  • 玄関ホールなどによく用いられ、大メッシュが多くなった。
  • ランプ交換・ルーバの清掃などが課題である。

バランス照明

特徴
バランス(dが小さい場合)
  • 壁に変化を与えるとともに、広がり感が得られる。
  • バランスの位置に応じ、ランプ遮光角は上側または下側に45°以上が必要である。
  • リビングや通路に用いられる。
バランス(dが大きい場合)
  • 壁廻りが明るくなり、空間を広く感じさせる。
  • 間接光が陰影を和らげるとともに、天井を高く感じさせる。
  • カウンターや店舗の棚の照明によく用いられる。
バランス(ルーバ付)
  • 壁廻りが明るくなり、空間を広く感じさせる。
  • カウンターや店舗の棚の照明の、グレードの高い手法である。
  • ランプが直接見えないようにする手法である。

吊・半間接

特徴
吊・半間接(ルーバ付)
  • カウンターや店舗のショウケースの照明としてよく用いられ、空間に境界を創る。
  • 間接光が陰影を和らげるとともに、天井を高く感じさせる。

(2020年10月12日入稿)

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