アイちゃんのあかりを訪ねて

ホタルの幻想的な“光”を訪ねて - 下関市編 -


木屋川

ホタルって、何種類いるか知っている?世界では約2000種類、日本では約50種類いるんだって。ホタルはもともと暖かい地域に住んでいた昆虫で、長い歴史の中で多くの種に分かれながら北上し続けて、現在では熱帯から亜寒帯まで分布を広げているんだよ。今でも暖かい地域ほど多くの種類が分布していて、寒い地域ほど少なくなっているの。


豊田ホタルの里ミュージアム外観

今回、アイが訪れた山口県下関市豊田町は、日本でも有数のホタルスポットとして知られ、「天然記念物 木屋川・音信川ゲンジボタル発生地」として国から指定を受けていて、現在、豊田町には、9種類のホタルが生息しているそうだよ。その指定地の木屋川のすぐそばにあるホタルの形の外観をした銀色に輝くドーム状の建物が「豊田ホタルの里ミュージアム」!ホタルの乱舞を見ることができるのは5月下旬から6月下旬までだけど、ここでは年間を通してホタルの美しい光と神秘的な生態、豊田の豊かな自然を体感できる施設なんだよ。

豊田ホタルの里ミュージアム

大切な小さなあかり


ようこそゲンジボタルの世界へ 1

館内は、まずエントランスホールに「豊田町インフォメーション」、「豊田町情報ライブラリー」のコーナー。ホールから展示室への導入部分は、幻想的な夜の演出がされていて、足元は川のせせらぎをイメージした青い光が中へと誘う「ホタルの光のワンダー」。展示室は、「ようこそゲンジボタルの世界へ」、「豊田町の自然」、「ホタル生態水槽」、「ホタルシアター」、「ネイチャーラボ」、「ゲンジボタルの謎に迫ろう」、「ホタル百科」の7つのゾーンで構成されていて、ホタルの不思議な生態やおもしろい情報、ホタルを取り巻く豊田町の自然と、そこに生息するゲンジボタルの生態が、実物・映像・模型・パネルなどでわかりやすく紹介されているよ。


ホタル生態水槽

「ようこそゲンジボタルの世界へ」は、来館者がミクロサイズとなって、ホタルの目線でホタルの一生を体験しようとするコーナー、ジオラマがなかなかリアルに作られていて見応えがあったよ。「ホタル生態水槽」では、水槽内に陸域・水域を設置し、ゲンジボタルとヘイケボタルが育つのに必要な環境を再現しているよ。ものすごく小さすぎてアイはなかなか見つけられなかったけど、その時季のホタルの姿が見られるよ。ホタルが生息しやすい環境は、水がきれいで、流れがあり、砂、礫、護岸に植物が覆われていることと適度な暗さが必要なんだって!


ようこそゲンジボタルの世界へ 2


ゲンジボタル幼虫


ヘイケボタル幼虫


ゲンジボタルのメス


光の交信チャレンジ

「ゲンジボタルの謎に迫ろう」では、ゲンジボタルの1匹の明るさを確かめられたり、ゲンジボタルのオスとメスの違いを学習したり、ゲンジボタルの卵・幼虫・蛹・成虫について実物・パネル・映像で見ることが出来るよ。全部見学したアイはもう立派なホタル博士です!
ゲンジボタルの発光器は、オスで腹部に2節、メスは1節だけ。体の大きさは、オスがメスよりひとまわり小さく、メスが17mm前後、オスが13mm前後だそうだよ。光り方も異なって、光を明滅しながら飛びまわっているのがオスで、草や木の葉の上でオスの光に比べて弱く、ほとんど明滅しないで光っているのがメスなの!今度、ホタルを見るときは注意してみてみようね。慣れないと区別が難しいかな?(笑)


ホタル百科

「ホタル百科」では、日本に分布しているホタル類を紹介するコーナーや世界のホタルを紹介するコーナー、ゲンジボタル、ヘイケボタル、ヒメボタルの光り方をクイズ形式のタッチパネルで紹介するコーナー、ホタル以外の光る生き物を映像で紹介するコーナーなどがあったよ。ホタルの発光の間隔は糸魚川線のフォッサ・マグナを境界領域として、西日本は2秒間隔、東日本は4秒間隔で明滅するそうです。サイクルの違いが関係あるのかよくわからないけど、本当にホタルって不思議な生物だね。ほかにもホタルは体内の光を邪魔する物質を持っていて、それをコントロールして光の明滅や強さを調節をしているんだって!

ホタルは毎年、新しい種類が見つかってる一方で、地球の環境破壊の中で絶滅する種類も多いそうです。情緒あふれるホタルのあかりをいつまでも眺めいたいなぁ~。


オオマドボタルの卵


日本のホタル標本


山口県のホタルの分布

施設概要

所在地
下関市豊田町大字中村50-3
電話
083-767-0350
URL
https://hotaru-museum.jp/
開園時間
午前9時 ~ 午後5時(6月は午後8時まで)
休館日
月曜日(祝休日の場合は翌平日)・年末年始(12月28日~1月4日)
入館料
大人200円