アイちゃんのあかりを訪ねて

空海が見た眺め - 精霊が宿る島を訪ねて - 五島市編 -


井持浦教会ルルド聖母像

五島列島は長崎県西部にある列島で南側の福江島、久賀島、奈留島、若松島、中通島の五つの島を中心に18の有人島、120以上の無人島からなっているんだよ。島々の大部分が西海国立公園に指定されていて、無数の入り江と岬とがおりなす自然豊かな列島で、ポルトガルの修道士アルメイダが1566年に布教して以来、今もなお53もの教会堂が存在し、キリシタン弾圧をかいくぐりながら、キリスト教の信仰が密かに守られてきた神秘的な土地なんだよ。


井持浦教会

アイが訪ねた“福江島”は、東西45km・南北35kmの五島列島最大の島なんだよ。福江島は、飛鳥時代から平安時代にかけて、若き学問僧だった空海や最澄などが遣唐使船で中国に渡った最終の寄港地として、また室町時代には対明貿易の中継基地として、さらに江戸時代には五島藩一万二千石のお膝元として栄えた島で、現在も五島列島における政治・経済・文化・観光の中心なんだ。

今回アイは、五島列島の歴史や文化が学べる五島観光歴史資料館や福江武家屋敷通りふるさと館、堂崎天主堂・堂崎民俗資料館、大瀬崎灯台に行ってきたよ~。

五島観光歴史資料館

日本国唯一の海城の面影


外観

五島観光歴史資料館は、旧福江市制施行三十五年を記念し建設されたもので、平成元年(1989)11月12日石田城二の丸跡地に開館されたんだよ。五島藩主五島氏の居城石田城は1863年に完成した日本一新しいお城で、城壁の3方が海に面している唯一の城なんだぁ。

残念ながら1872年陸軍省に移管され、築城後僅か10年余りで解体されてしまったの。その石田城の天守閣を模した三階建ての館内の1階展示室では、福江を中心とした観光の総合案内を「五島ガイドシアター」として三面マルチ大型スクリーンでビデオ映像を上映しているよ。

2階展示室は、五島列島の歴史、文化の流れを「芸術文化」、「五島のあけぼの」、「遣唐使、倭寇」、「仏教文化」、「キリシタン信仰」、「五島藩の形成」など六つのテーマにそって、古代から近世までの時代順に紹介。古代の暮らしや遣唐使船、倭寇、キリシタンなど、五島の歴史文化が立体的にわかる展示内容になっているよ。


側面からの外観


1Fホール 五島ネブタ


1F 五島ガイドシアター


キリシタン信仰


五島藩の形成


五島のあけぼの


遣唐使船


聖教木版画


曽畑式土器(縄文前期)

3階展示室は、五島列島の自然と人々の暮らしの関わりあい、漁具や農具などの民具、民俗行事を紹介。アイがとくに興味を魅かれたのが、バラモン凧あげ、チャンココ、ヘトマトなど四季折々に繰り広げられる、歴史と伝統の祭り。長い年月をかけて、他に類を見ない独特の風習を産み出した五島。現在に生きる人々によって大切に守られ、受け継がれてきたんだなぁって実感したよ。今の町並みにはコンビニもあって他の町との大きな違いはないんだけど、こうしたお祭りにはキリシタン信仰とは違った五島独特の文化が色濃く残っているんだなぁと不思議な感じがしました。アイもタイムスリップしたような気分になっちゃった。

また、1階から3階までに設置されている数箇所の説明ビデオはとても分かりやすいし、アイのオススメだよ!五島観光歴史資料館は、五島列島の歴史や人々の暮らしや観光スポットなど、全ての情報が揃っているから、はじめて島を訪れる人にとって見逃せない施設だし、城下町“福江”の雰囲気も十分楽しめるよ。


灯具


農具


五島の自然


さまざまな民具 1


さまざまな民具 2


さまざまな民具 3

アイの知って得する豆知識

チャンココ

長崎県指定無形民俗文化財。五島市大津地区他各地に伝わる古い念仏踊りで、語源は「チャン」が鉦の音、「ココ」は太鼓を叩く音であると言われているよ。踊り手達が帷子(かたびら)を着て、腰蓑(蒲の葉で作る)を着け、鼓鉦に和して踊ります。旧盆の十三日より三日間、町内より市街地へ繰り出し、初盆の家の前とお墓で供養するんだって。

ヘトマト

国重要無形民俗文化財。アイはトマトの仲間なのかと思っちゃいました。ヘトマトは、五島市下崎山町に古くから伝わる民族行事で、毎年1月16日に行われます。奉納相撲、羽根つき、玉せせり、綱引きの順で行われ、最後に長さ3メートルの大草履を担いで山城神社へ奉納するんだよ。この一連の行事をヘトマトと呼び豊作、無病息災を祈願する小正月の年占い行事です。

施設概要

所在地
五島市池田町1-4
休館日
12月29日から1月3日(※他臨時休館日あり)
入館料
一般300円