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2023/02/08
復興道路のトンネルを安全に照らす
トンネル照明のノウハウ ほか
こんにちは。岩崎電気です。
2月、立春を過ぎて暦の上では春ですが、まだまだ寒い日が続いていますね。
寒いときはつい乗り物での移動が増えますが、風通しの良い橋の上や、
トンネル出入り口付近は、思わぬ凍結がありますので、くれぐれもご注意ください。
今回は、トンネル照明をご紹介します。
普段何気なく通過しているトンネルにもドライバーにとっての快適な光環境や省エネ、
効率化への技術が詰まっています。
目次
復興道路のトンネルを安全に照らす
東日本大震災の復興支援道路として整備された、岩手県宮古市と盛岡市を結ぶ横断道路。
沿岸と内陸の交流連携の促進、迅速かつ安定した救急搬送、
観光や物流の活性化など多くの効果が期待されています。
区間内には4つのトンネルが存在し、
全てにLEDトンネル用照明器具「レディオック トンネル KAEシリーズ」が設置されています。
時間帯、交通量、省エネに配慮した細かい調光設定はもちろん、路面と側面、
中央分離帯の認識がしやすく、視線誘導効果が得られ、
走りやすいトンネル照明になっています。
この「KAEシリーズ」は、
アルミ製のコンパクトボディが最大の特長のLEDトンネル用照明器具です。
小さく、軽量化することで、施工時の負担が削減され、
トンネル壁面への負担も軽減されます。
コンクリート舗装とアスファルト舗装の反射率に合わせて最適な明るさが得られるように、個別の配光がラインアップされています。
長寿命なLED器具は、ランプ交換のための通行規制が減らせ、
利用者の利便性も向上しますね。
[光技術Tips]
トンネル照明のノウハウ
トンネル照明の目的の1つは、昼間の明るい野外から暗いトンネルに進入する時、
安全かつ快適に車両が走行できるようにすること。
トンネルならではの、さまざまな問題点を解決しなくてはいけません。
ブラックホール現象
明るい野外からトンネル入口を見たとき内部に照明がないと、真っ黒な穴に見えます。
万一入り口付近に故障車などが止まっていたら大変です。
これを防ぐために、入口照明で野外との明るさの差をなくすことが必要です。
順応の遅れ現象
トンネルに侵入した後、目が暗さになれるのに時間がかかります。
これを緩和するために、進行距離に合わせてトンネル内を徐々に暗くするように設計します。
フリッカ現象
トンネル内を走行中、自車の室内や前を走る車の後ろ姿が、
明るくなったり暗くなったりを繰り返すと、不快に感じることがあります。
特に一定間隔で取り付けられているトンネル照明の設置高さが低いと感じやすくなります。
これを緩和するためには、トンネル内の明るさを均一にすることが求められます。
透過率の低下
排気ガスにより、トンネル内の空気が汚れ、見通しが悪くなります。
以前は排気ガスの中でも光が通りやすいオレンジ色の低圧ナトリウムランプが使われていましたが、排ガス規制により空気がきれいになったことと、適切な換気設備（換気扇）が普及したことで、より自然に近い白色の照明が採用されるようになりました。
ホワイトホール現象
ブラックホール現象の逆で、暗いトンネルの中から明るい野外が真っ白い穴に見える現象です。
また急な明るさに慣れるまでの時間が必要な順応の遅れが再び発生します。
これを防ぐために、出口に近づくにつれ徐々に照明を明るくし、
出口付近と屋外の明るさの違いを少なくする必要があります。
これらが昼間にトンネルを通行する時のために配慮されている照明技術ですが、
他にも夜間通行時の入口、出口の明るさの差異を緩和するトンネル外に設置される道路灯や、停電時に対応した電池内蔵形のトンネル照明器具など、さまざまな安全への対策が施されています。
NEWS
- ニュースリリース
- FAST材を適用した熱電発電モジュールで小電力路車間通信に成功
- 「レディオック フラッド アヴァン 光害対策形」を発売
- 照明
- レディオック フラッド アヴァン 光害対策形
- 光・環境
- パルスドキセノン殺菌/滅菌装置
- IR情報
- 2023年3月期 第3四半期決算短信 ほか
- 納入事例
- NACK5スタジアム大宮(さいたま市大宮公園サッカー場) ほか
- お知らせ
- 建築物省エネ法 - JISに基づく自己適合宣言書の更新
- LED投光器「LEDioc FLOOD DUELL」一部生産終了のご案内
- PCB含有の有無検索／証明書発行サービス - データ更新
編集後記
「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。」
有名な川端康成の小説「雪国」の冒頭です。
小説の舞台は汽車ですので、まぶしすぎる銀世界が突然現れても安心ですが、自動車の場合は、トンネル照明がしっかりしていても、雪や凍結には十分ご注意ください。
また、雪国へのトンネルじゃなくても、トンネルの出口で天気が変わっていることはよくありますので、常に安全運転を心がけましょうね。
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