メールマガジン
2022/12/14
鳴子ダムのライトアップ
日本夜景遺産ってなに?選定方法は? ほか
こんにちは。岩崎電気です。
12月に入り、いろいろな場所がライトアップやイルミネーションで彩られました。
凛とした空気の中に煌めく光を眺めていると、寒い日でも心がほっこりなごみ、気持ちも明るくなりますね。
岩崎電気が手掛けている照明には、さまざまな種類がありますが、今回は景観の魅力を引き立てる照明として、宮城県・大崎市の鳴子ダム ライトアップについてお届けしていきます。
目次
鳴子ダムのライトアップ
宮城県の北西部に位置する大崎市鳴子。東北有数の名泉が集まる鳴子温泉郷や、紅葉の名所としても名高い鳴子峡などを有し、栗駒国定公園に指定された自然豊かなエリアです。鳴子ダムはこの山あいを流れる北上川水系江合川の上流部に1957年、国内で初めて日本人の技術だけで造られた100m級アーチ式コンクリートダムとして誕生しました。
治水、大崎耕土への利水や水力発電を目的として、60年以上にわたり活躍を続けており、2016年にはその歴史的建造物としての価値が認められ、「土木学会推奨土木遺産」に認定されました。
そんな鳴子ダムでは、豊かな自然と観光資源を生かして、「鳴子ダム水源地域ビジョン」を策定し、さまざまなイベントを実施してきました。
毎年5月の連休時に雪解けで満たされたダムの水を点検も兼ねて放出する「すだれ放流」もそのひとつ。高さ94.5m、8つの放流門から放水される様は圧巻で、東北の春を感じさせる風物詩として県内外の人々に親しまれています。
従来、夜間のライトアップにはダムの管理点検用に設置されている投光器に簡易的なカラーフィルタを装着して行っていましたが、2021年に岩崎電気が照明設計と演出プログラム作成に協力させていただき、LED照明器具にリニューアル。
より多彩で動きのある演出が可能になりました。
全体をDMX制御システムで構築して、点検用照明に必要な白色LED照明とともに、白色点灯とフルカラー点灯が可能なLEDフルカラー投光器を採用。通常点検時はLED照明をすべて白色に点灯させ、既設投光器と同じ明るさを確保しています。
イベント時には、点滅・色変え・調光・速度変化を織り交ぜ、幻想的かつ華やかに演出し、四季折々の風景や水の流れる音とのコラボレーションにより、オーケストラのようなダイナミックな空間を創出しています。
本来の点検用照明として、またイベントによる地域活性化や観光へ貢献するライトアップ照明として、LED化によりさらに実用的・効率的に役割を果たせるようになりました。
また、ライトアップ用照明は管理用水力発電の余剰電力を使用しており、環境にもやさしい照明環境を実現しています。
鳴子ダムでは、すだれ放流のほかにも、紅葉シーズンや医療従事者支援などでライトアップが実施されています。
全国のダムでも、このようにカラフルで動きのある演出がされている例は珍しく、2022年には第17回「日本夜景遺産」にも認定されました。
ライトアップイベントの際には、ぜひその壮大で華やかな姿を楽しんでみてはいかがでしょうか?
[光技術Tips]
日本夜景遺産ってなに?選定方法は?
先述の鳴子ダムが「日本夜景遺産」に認定されたことをお伝えしましたが、日本夜景遺産とはどのようなものかについてご紹介します。
日本夜景遺産とは、一般社団法人 夜景観光コンベンション・ビューロー(代表理事:丸々もとお氏)によるプロジェクトで、日本各地に埋もれている美しい夜景の再発見と発掘を行い、国内外にその魅力を発信することで、地域活性化や観光資源化につなげることを目的としています。
2004年に発足して以来、優れた普遍的価値を持っていること、誰もが楽しめる国内の夜景鑑賞地であること、芸術的価値や地域の独自性が表れていることなどを基準に、候補地に選ばれた夜景や鑑賞場所の調査や分析を行って毎年10~20か所が選定されています。
これまで累計で全国270か所の夜景遺産地が選ばれました。
日本夜景遺産には、高台などから鑑賞する「自然夜景遺産」、展望台などの高層施設から鑑賞する「施設型夜景遺産」、人工的な照明で照らし出された夜景を観賞する「ライトアップ夜景遺産」、夜祭りや送り火といった伝統的な行事にかかわる「歴史文化夜景遺産」の4種類があります。
第17回目の2022年は、全国100か所以上の候補地の中から10か所の新規夜景遺産認定地があり、その中の「ライトアップ夜景遺産」として鳴子ダムが選ばれました。
実は、岩崎電気が携わった納入事例には、日本夜景遺産に選定された例が他にもあります。
岩手県遠野市「めがね橋」
宮沢賢治の名作「銀河鉄道の夜」のモチーフになったと言われているJR釜石線「宮守川橋梁」。2020年に既設投光器からフルカラーLED投光器にリニューアル。4色の光で風情あふれる橋をより幻想的に照らし出しています。
北海道室蘭市「白鳥大橋」
室蘭港にかかる東日本最大級の吊り橋は、室蘭を活気づけようと2017年にLED投光器を整備。同年一般社団法人照明学会より照明普及賞も受賞しました。
他にも、弘前公園、レインボーブリッジ、横浜ベイブリッジなどおなじみの施設が選定されています。
ライトアップやイルミネーションは、地域住民への還元と観光資源化が両立できるため、取組みを進める自治体なども増えてきています。
いつか皆さんの街も日本夜景遺産に選定されるかも知れませんね。
岩崎電気の景観照明・ライトアップの事例は、下記からご覧いただけます。
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編集後記
ふと立ち止まって夜のあかりを眺めてみると、心が安らいだり、しんと落ち着いたりすることがあります。夜景やライトアップはもちろん、街路灯や建物の窓から漏れる光など、暗闇の中のあかりには、気持ちを研ぎ澄ましたり、心を明るくしたりする、そんな力が宿っているのかもしれませんね。
早いもので今年も残すところあとわずかとなりました。
岩崎電気メールマガジンも今号が年内最後となります。
仕事にプライベートに、なにかと忙しくされている方も多いのではないでしょうか。
そんなときにはぜひ“あかり”を眺めて、リフレッシュしてみてください。
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