CO₂低濃度化技術と紫外線殺菌技術を融合した空気浄化装置を開発
CO₂分離回収技術の進化でカーボンニュートラル実現を目指す

2024年7月19日

新開発の空気浄化装置

岩崎電気株式会社は室内空気質(IAQ※1)の向上に着目し、空気循環式紫外線清浄機「エアーリア(AIRLIA)」※2の紫外線殺菌技術に、新開発した「CO₂低濃度化技術」を融合させた新しい空気浄化装置を開発しました。

岩崎電気株式会社では、カーボンニュートラル実現に向けて、二酸化炭素(CO₂)やメタン(CH₄)、一酸化二窒素(亜酸化窒素N₂O)をはじめとする温室効果ガスの低減と抑制、分離回収や資源転換など、脱炭素社会の実現に貢献できる技術開発において、当社が保有する光技術に新しい技術を融合させた技術開発に取り組んでおります。

この度開発した装置(図1 装置外観及び仕様)は、室内空気質(IAQ)の向上を目的とした装置で、CO₂を効果的に吸着及び除去する吸着剤ゼオライトを利用した、PSA(VSA)※3方式によるCO₂低濃度化システムと紫外線による空気除菌システム(図2 システム構成概略図)を搭載しています。

装置内に取り込んだ周辺空気(大気)を紫外線照射により菌やウイルスを不活化し、空気に含まれるCO₂濃度を50ppm以下まで低減でき、「安全で安心なCO₂濃度を低減したきれいな空気」を提供することができます。 この装置は感染症対策での室内空気浄化だけでなく、室内CO₂濃度※4を低濃度化できる機能を持つことで、眠気防止などの作業性向上への利用、そして換気の悪い密閉空間や個室空間での利用、施設の換気代替技術への応用による換気回数低減によるCO₂削減効果も見込めます。

本技術は、東京大学大学院工学系研究科 脇原徹教授の技術アドバイスに基づき開発しました。

岩崎電気では、これまでの室内空気質の向上と、次なるパンデミックに備えた感染症対策技術開発である、空気循環式紫外線清浄機の設置場所提案※5や気流の可視化システム※6などと合わせ、更なる安全・安心な環境浄化への技術開発を推進してまいります。

なお本開発品は2024年7月21日~25日に開催される、ゼオライト及び多孔質結晶体に関する国際会議「ZMPC2024」※7にて技術展示いたします。

空気浄化装置開発ポイント

  • 岩崎電気の保有する「紫外線殺菌技術」と新しく開発した「CO₂低濃度化技術」を融合させたコンセプト提案
  • 利用者へスポット的に清浄な空気を提供することで眠気防止や感染症対策に期待
  • 将来のDAC技術への応用、CO₂分離回収や資源転換などへ技術展開

【装置仕様】
CO₂濃度:< 50ppm
流量:10L/min
消費電力:200W
外形寸法(幅×奥行×高さ):650×450×720mm

図1 装置外観及び仕様

図2 システム構成概略図

注釈

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