日本プロ野球 屋外球場 初
『横浜スタジアム』ナイター照明設備のLED化について
2015年1月21日
岩崎電気株式会社
岩崎電気株式会社(本社:東京都中央区 代表取締役社長:渡邊文矢)は、株式会社横浜スタジアム(本社:神奈川県横浜市 代表取締役社長:長岡哲司)様より、プロ野球球団「横浜DeNAベイスターズ」のホームグラウンドである『横浜スタジアム』(横浜市)のナイター照明設備のLED化で、弊社LED投光器(LEDioc FLOOD DUELL(レディオック フラッド デュエル)™)および照明システムをご採用いただきましたのでお知らせします。
プロ野球の屋外ナイター照明設備が、全面的にHIDからLED化されるのは日本初となります。プロ野球のナイトゲームは、横浜スタジアムの前身である横浜公園球場※1 (横浜公園平和野球場)で1948年に初めて開催されましたが、その跡地に1978年に建設されたのが『横浜スタジアム』です。当初の横浜スタジアムのナイター照明は、メタルハライドランプ1000Wと高圧ナトリウムランプ700Wの混光照明でした。2000年~2001年にハイビジョン対応と照度アップのため、メタルハライドランプ1500Wの高演色形と高効率形に全面的に改修されました。今回のLED投光器の導入で、より高い省エネ性の実現と照明環境の向上を両立することが可能となりました。日本のナイター照明発祥の地に建つ『横浜スタジアム』は、プロ野球屋外球場のLEDによるナイトゲーム開催の幕開けの地となります。
LED化の内容は、既設のメタルハライドランプ1500W投光器708台※2 を、効率の高い高演色形LED投光器660台に交換し、総消費電力を56%削減するものです。器具数量を減らしながらプロ野球開催に必要な照度を既設と同等以上確保し、初期照度補正機能※3 によって設置初期から寿命末期まで設計照度を保ちます。プロ野球で必要な空間照度や照度均斉度も向上させ、まぶしさも既存照明より抑えています。ハイビジョン撮影に対応した平均演色評価数Ra80のLEDを採用し、スーパースロー再生で用いられるハイスピードカメラ撮影時の「ちらつき」も独自の電源回路設計によるフリッカレス点灯で防止しています。LED照明ならではの瞬時点灯・瞬時再始動が可能で、調光機能(100%~25%)も組み込んでいるためイベントなどで照明の活用範囲を広げることも期待されます。LEDモジュール寿命は、40,000時間(光束維持率85%時)で既設の1500Wメタルハライドランプ(定格寿命6,000時間)の約6.6倍の長寿命。『横浜スタジアム』のLED照明は、2015年シーズンより使用を開始します。
- ※1 横浜公園球場のナイター照明設備は、連合軍占領下で接収されていた1946年に設置。当時は、「ルー・ゲーリック・メモリアム・スタジアム」と改称され、返還後「横浜公園平和野球場」となった。
- ※2 内訳:高効率メタルハライドランプ306台、高演色メタルハライドランプ402台。
- ※3 保守率を考慮した設置初期の過剰な明るさを抑えることで初期の電気使用量を削減し、寿命末期まで設計照度を維持する機能。
1. LED化の目的
- 電気使用量とメンテナンス費用削減による高い省エネ性の実現とスタジアムの照明環境向上の両立
2. 採用されたLED投光器の特長
① 高い省エネ性と調光機能
- 業界最高レベルの高効率のLED投光器(固有エネルギー消費効率111.8ℓm/W)を採用
- 初期照度補正機能により、設置初期から寿命末期までの余分な消費電力を削減
- 調光機能(100%~25%)により、必要に応じて明るさの調節と消費電力削減が可能
② スタジアムの照明環境の向上
- 既存照明同等以上の明るさを確保すると同時に、空間照度・照度均斉度を向上
- まぶしさ(発光面輝度)を既存照明より低減
③ 高度なテレビ撮影に対応
- ハイビジョン撮影に対応した平均演色評価数Ra80のLEDを使用し、自然な色の見え方を再現
- ハイスピードカメラ撮影の際の「ちらつき」を独自の電源回路設計により、フリッカレス点灯で防止
④ 高い安全性能
- 誘導雷サージによる故障を防止するために「耐雷サージ電圧15kV(コモンモード)」を搭載
- 前面カバーに野球の硬式ボールが時速130kmの速度で衝突しても耐えられる強固なポリカーボネートを採用
3. 採用されたLED投光器の仕様
高演色形LED投光器 「LEDioc FLOOD DUELL™」形状 |
|
---|---|
器具外形寸法 | 547mm×542mm、前面径:ø461mm |
入力電圧 | 200V |
周波数 | 50/60Hz共用 |
入力電流 | 3.9A |
消費電力 | 760W |
電気容量 | 780VA |
質量 | 器具本体:18kg、電源装置:12kg |
塗装 | 重耐塩塗装 |
配光種類 | 中角配光、広角配光、超広角配光 |
定格光束 | 85000ℓm |
固有エネルギー消費効率 | 111.8ℓm/W |
色温度 | 5000K |
平均演色評価数 | Ra80 |
光束維持率 | 85% |
LEDモジュール寿命 | 40,000h |
使用周囲温度 | -20℃~+35℃ (一時的に50℃まで温度上昇する場所での使用可) |
点灯制御 | パターン・グループ・個別点灯及び調光制御可能 |
初期照度補正機能 | 標準装備 |
調光機能 | 100%~25% |
設置台数 | 660台 |
関連情報
ニュースリリースに掲載されている内容(サービスの内容、商品の価格や仕様など)は、発表日時点の情報です。ご覧の時点では内容が変更されている可能性があるため、あらかじめご了承ください。