人の物の見え方に基づく光環境評価システム「QUAPIX(クオピクス)Ver.2」を発売
2011年2月15日
岩崎電気株式会社(本社:東京都中央区、社長:渡邊文矢)は、人間の感覚量(=クオリア)に基づく、光環境評価システム「QUAPIX(クオピクス)」のバージョンアップ版「QUAPIX Ver.2」を開発。2月16日より発売します。
「QUAPIX」は、2010年1月に発売。専用のカメラで撮影した写真をもとに輝度分布を作成する機能と、人が見ようとする物が実際にどのように見えているかを画像から解析し可視化する機能をもつプログラムソフトです。
「QUAPIX」で可視化できる人間の視覚生理的反応・心理的反応のイメージは、「明るさ画像」「目立ち画像」「視認性画像」の3種類です。
バージョンアップ版の「QUAPIX Ver.2」では、従来のUSBカメラに加え、一眼レフカメラにも対応し測定領域を拡大。より高い機能への要望に応えて処理速度が向上し、撮影画像内の色情報の測定表示や、台形や円形領域の測定など、より詳細な解析ニーズに対応しました。
「QUAPIX」を体験希望の方は、レンタル(有償)が可能です。また、既に「QUAPIX」をご採用いただいている方向けには、アップグレード版を用意しています。
「QUAPIX Ver.2」バージョンアップ内容
(1) 一眼レフカメラに対応し、測定範囲を拡大
USBカメラに加え一眼レフカメラでの測定に対応します。USBカメラで測定が困難であった低輝度領域・高輝度領域の測定を可能にしました。
(2) 色情報の測定(USBカメラ使用時)
撮影画像各部の(CIE 色情報 xy色度座標)の表示機能を追加しました。
(3) 台形マスク(路面測定用)による測定
対象路面の透視図形に一致した台形領域を表示し、台形領域内(CIE 30.2準拠)の輝度情報(最大値、最小値、総合均斉度Uo、車線軸均斉度Ul)を算出できます。
(4) N°視野による輝度測定
任意視野角の円形マスクを作成でき、トンネル野外輝度の測定などに活用できます。
(5) 操作性の向上
各種クオリアイメージの拡大表示、クオリア値のテキスト保存、輝度分布のテキスト保存・読込み、処理速度の向上など操作性も向上しました。
販売品概要
「QUAPIX Ver.2」 | 100万円(税別) |
---|---|
「QUAPIX Ver.2」アップグレード版 | 25万円(税別) |
専用USBカメラ(画角の異なる3種類のレンズ)セット | 20.58万円(税別) |
今後の予定
新たなクオリアイメージの追加や利便性の高い機能追加などのバージョンアップを計画しています。
(以下参考資料)
「QUAPIX」で可視化できるクオリアイメージは、「明るさ画像」「目立ち画像」「視認性画像」の3種類です。
このソフトを活用することで、「快適な光環境の構築」と照明設備の「省エネルギー・省コスト」の両立が可能です。
また、案内表示板や情報表示装置の評価などユニバーサルデザインへの活用も期待できます。
輝度分布画像
写真測光法※1を用いて、撮影画像の輝度分布を出力することができます。
選択した範囲の平均輝度を算出することも可能です。
明るさ画像
人が感じる、見ている物の明るさの度合いを「非常に明るい」から「非常に暗い」までの評価値で可視化します。
空間の明るさの印象を明確にとらえることができます。
目立ち画像
人が見ている物の目立ちの度合いを「非常に目立つ」から「目立たない」までの評価値で可視化します。
明るくて目立つ場所、暗いことで目立つ場所の両方を検出できます。
視認性画像
人が見ている物の見えやすさの度合いを「非常に良く見える」から「かろうじて見える」までの評価値で可視化します。
「若年者」の見え方、「高齢者」の見え方の2通りのシミュレーションが可能です。
※1:写真の階調値データから輝度値を算出する方法
参考
弊社では、本ソフトを提案ツールとして活用してきましたが、多くの要望が寄せられたため、社外でもご活用できるようにソフトを改良して、照明器具メーカー、照明・店舗デザイナー、技術コンサルティング業務関連会社、表示装置の開発者向けに2010年より販売を始めました。
※「明るさ画像」と「視認性画像」は、株式会社ビジュアル・テクノロジー研究所が所有する特許技術を用いて、岩崎電気が製品化したものです。
ニュースリリースに掲載されている内容(サービスの内容、商品の価格や仕様など)は、発表日時点の情報です。ご覧の時点では内容が変更されている可能性があるため、あらかじめご了承ください。