中小企業等経営強化税制

中小企業の皆様は必見!(令和2年度税制改正)

法人税の減税

法人税※1について、即時償却または、取得価格の10%※2の税額控除が選択適用できます。

  • ※1 個人事業主の場合は所得税
  • ※2 資本金3,000万円超、1億円以下の法人は7%

A類型・B類型・C類型があります。

制度の概要

青色申告書を提出する①中小企業者等が、②指定期間内に、中小企業等経営強化法の認定を受けた経営力向上計画に基づき③一定の設備を新規取得等して④指定事業の用に供した場合、即時償却又は取得価額の10%(資本金3000万円超1億円以下の法人は7%)の税額控除を選択適用することができます。

  • (注1)税額控除額は、中小企業経営強化税制、中小企業投資促進税制、商業・サービス業・農林水産業活性化税制の控除税額の合計で、その事業年度の法人税額又は所得税額の20%が上限となります。なお、税額控除の限度額を超える金額については、翌事業年度に繰り越すことができます。
  • (注2)特別償却は、限度額まで償却費を計上しなかった場合、その償却不足額を翌事業年度に繰り越すことができます。

①中小企業者等とは?

※平成31年4月1日以降に開始する事業年度から適用される中小企業者等について記載しています。

  • 資本金又は出資金の額が1億円以下の法人
  • 資本金又は出資金を有しない法人のうち常時使用する従業員数が1,000人以下の法人
  • 常時使用する従業員数が1,000人以下の個人
  • 協同組合等

※ 中小企業等経営強化法第2条第2項に規定する「中小企業者等」に該当するものに限ります。
ただし、次の法人は、資本金又は出資金の額が1億円以下でも本税制措置の対象とはなりません。

  1. 同一の大規模法人(注)から2分の1以上の出資を受ける法人
  2. 2以上の大規模法人(注)から3分の2以上の出資を受ける法人
  3. 前3事業年度の所得金額の平均額等が15億円を超える法人

(注)大規模法人とは、資本金又は出資金の額が1億円超の法人、資本金又は出資金を有しない法人のうち常時使用する従業員数が1,000人超の法人又は大法人(資本金又は出資金の額が5億円以上である法人等)との間に当該大法人による完全支配関係がある法人等をいい、独立行政法人中小企業基盤整備機構(中小企業等経営強化法に規定する認定事業再編投資組合を経由して間接的に保有している部分のみ)及び中小企業投資育成株式会社を除きます。

②指定期間とは?

平成29年4月1日から令和5年3月31日までの期間

③一定の設備とは?

類型 生産性向上設備(A類型) 収益力強化設備(B類型) デジタル化設備(C類型)
要件 生産性が旧モデル比平均1%以上向上する設備 投資収益率が年平均5%以上の投資計画に係る設備 遠隔操作、可視化、自動制御化のいずれかを可能にする設備
確認者 工業会等 経済産業局 経済産業局
対象設備
  • 機械装置(※1、5)
    (160万円以上/10年以内)
  • 測定工具及び検査工具
    (30万円以上/5年以内)
  • 器具備品(※2)
    (30万円以上/6年以内)
  • 建物付属設備(※3、5)
    (60万円以上/14年以内)
  • ソフトウェア(※4)(情報収集機能及び分析・指示機能を有するもの)
    (70万円以上/5年以内)
  • 機械装置(※1、5)
    (160万円以上)
  • 工具
    (30万円以上)
  • 器具備品(※2)
    (30万円以上)
  • 建物付属設備(※3、5)
    (60万円以上)
  • ソフトウェア(※4)
    (70万円以上)
  • 機械装置(※1、5)
    (160万円以上)
  • 工具
    (30万円以上)
  • 器具備品(※2)
    (30万円以上)
  • 建物付属設備(※3、5)
    (60万円以上)
  • ソフトウェア(※4)
    (70万円以上)
  • ※1 発電の用に供する設備にあっては、主として電気の販売を行うために取得又は製作をするもの(経営力向上計画の実施時期のうちで発電した電気の販売を行う期間中の発電量のうち、販売を行うことが見込まれる電気の量が占める割合が2分の1を超える発電設備等)を除く。
  • ※2 医療機器にあっては、医療保健業を行う事業者が取得又は製作をするものを除く。
  • ※3 医療保健業を行う事業者が取得又は建設をするものを除くものとし、発電の用に供する設備にあっては主として電気の販売を行うために取得又は建設をするものを除く。
  • ※4 複写して販売するための原本、開発研究用のもの、サーバー用OSのうち一定のものなどは除く(中促と同様)。
  • ※5 発電設備等の取得等をして税制措置を適用する場合には、経営力向上計画の認定申請時に「発電設備等の概要等に関する報告書」及びその記載内容を証する書類の添付が必要となります。
  • ※6 働き方改革に資する減価償却資産であって、生産等設備を構成するものについては、本税制措置の対象となる場合があります。詳しくはこちらの質疑応答事例(国税庁)をご確認ください。

④指定事業とは?

地域にかかわらず、照明設備を導入する事業者の業種に制約があります。
「中小企業庁」のホームページにてご確認ください。

適用手続き

生産性向上設備(A類型)

生産性向上設備の要件

③一定の設備とは?の表のA類型の対象設備のうち、以下の2つの要件を満たすもの

  1. 一定期間内に販売されたモデル(最新モデルである必要はありません)
  2. 経営力の向上に資するものの指標(生産効率、エネルギー効率、精度など)が旧モデルと比較して年平均1%以上向上している設備

※ ソフトウェアについては、情報収集機能及び分析・指示機能を有するもの

要件1、2について、工業会等から証明書を取得する必要があります。証明書取得から税制の適用を受けるまでの流れについては下記税務申告までのスキームを参照。

収益力強化設備(B類型)

収益力強化設備の要件

③一定の設備とは?の表のB類型の対象設備のうち、以下の要件を満たすもの

年平均の投資利益率が5%以上となることが見込まれることにつき、経済産業大臣(経済産業局)の確認を受けた投資計画に記載された投資の目的を達成するために必要不可欠な設備

上記の要件について、経済産業局から確認書を取得する必要があります。
確認書取得から税制の適用を受けるまでの流れについては下記税務申告までのスキームを参照。

デジタル化設備(C類型)

デジタル化設備の要件

③一定の設備とは?の表のC類型の対象設備のうち、以下の要件を満たすもの

事業プロセスの①遠隔操作、②可視化、③自動制御化のいずれかを可能にする設備として、経済産業大臣(経済産業局)の確認を受けた投資計画に記載された投資の目的を達成するために必要不可欠な設備

上記の要件について、経済産業局から確認書を取得する必要があります。
確認書取得から税制の適用を受けるまでの流れについては下記税務申告までのスキームを参照。

①遠隔操作、②可視化、③自動制御化について
①遠隔操作
  1. デジタル技術を用いて、遠隔操作をすること
  2. 以下のいずれかを目的とすること
    1. 事業を非対面で行うことができるようにすること
    2. 事業に従事する者が、通常行っている業務を、通常出勤している場所以外の場所で行うことができるようにすること
②可視化
  1. データの集約・分析を、デジタル技術を用いて行うこと
  2. 1のデータが、現在行っている事業や事業プロセスに関係するものであること
  3. 1により事業プロセスに関する最新の状況を把握し経営資源等の最適化※を行うことができるようにすること
③自動制御化
  1. デジタル技術を用いて、状況に応じて自動的に指令を行うことができるようにすること
  2. 1の指令が、現在行っている事業プロセスに関する経営資源等を最適化するためのものであること

※「経営資源等の最適化」とは、「設備、技術、個人の有する知識及び技能等を含む事業活動に活用される資源等の最適な配分等」をいいます。

税務申告までのスキーム

申請の流れ(工業会証明書の取得・中小企業等経営強化税制A類型)

※中小企業等強化税制A類型でリースの場合も同様の流れです。

申請の流れ(適用手続き・中小企業等経営強化税制B類型)

※申請にあたりメーカーが発行する書類はありません。

  • ※1 本スキームを利用する際は、導入者の企業規模によらず、公認会計士・税理士の確認が必要となります。(会計監査人や顧問税理士などでなくても可)

申請の流れ(適用手続き・中小企業等経営強化税制C類型)

各様式は中小企業庁ホームページからダウンロードできます。
(トップページ→ 経営サポート→ 経営強化法による支援→ 経済産業局による確認書について)

設備の取得時期について

中小企業等経営強化税制A類型・B類型・C類型共通

【原則】経営力向上計画の認定を受けてから設備を取得

【例外】設備取得後に経営力向上計画を申請する場合

設備を取得した後に経営力向上計画を申請する場合には、設備取得日から60日以内に経営力向上計画が受理される必要があります。(計画変更により設備を追加する場合も同様です)。上記の場合において税制の適用を受けるためには、制度の適用を年度単位でみることから、遅くとも当該設備を取得し事業の用に供した年度(各企業の事業年度)内に認定を受ける必要があります。(当該事業年度を超えて認定を受けた場合、税制の適用を受けることはできませんのでご注意ください)。

問合せ窓口

中小企業等経営強化法に基づく税制措置について
中小企業税制サポートセンター

経営強化法による支援ホームページ
(中小企業庁HP → 経営サポート→ 経営強化法による支援)

対象商品一例